2003 Fiscal Year Annual Research Report
コフィリン、C-蛋白質の分子機能および筋の形成と維持における役割
Project/Area Number |
14340262
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大日方 昂 千葉大学, 理学部, 教授 (40012413)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 成樹 千葉大学, 理学部, 助手 (40261896)
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Keywords | コフィリン / アクチン線維 / アクチン結合蛋白質 / 筋原繊維形成 / C-タンパク質 / 骨格筋細胞 |
Research Abstract |
形成途上の筋細胞には、コフィリンファミリー蛋白質としてコフィリンとADFが共存する。筋原繊維形成過程で、どちらがより優位にアクチン線維に作用するかを比較検定するために、精製された組み替え体コフィリンおよびADFを培養骨格筋細胞にそれぞれの内在タンパク質の約10倍程度まで注入し、アクチン線維に与える影響を比較検討した。コフィリン注入の場合には、速やかなアクチン線維の崩壊、アクチン・コフィリンロッドの形成、およびアクチン線維からのトロポミオシンの離脱が見られたが、ADF注入の場合にはアクチン線維系のダメージは顕著でなかった。従って、筋細胞ではコフィリンがより強くアクチン動態に関与すると結論した。筋原繊維形成におけるコフィリンの役割解明のために、コフィリンに対するアンチセンスオリゴヌクレオチド(モルフォリノ)を培養筋細胞に導入して、筋細胞内のコフィリン量の減少を導いた。DMSO処理でコフィリンは核内移行して特徴的なロッド構造を作ることを利用すると、高感度でコフィリンの有無が検定されるが、アンチセンスモルフォリノ導入された培養筋細胞ではDMSO処理による核内コフィリンロッドが見られず、コフィリン量の顕著な減少が導かれたことが確認された。また、コフィリンの代謝回転はかなり速いことを確認し、コフィリンの発現を阻害された筋細胞では、コフィリンが迅速に消失すると判断した。モルフォリノ導入後、日数を追って、アクチンの線維形成、横紋構造への構築の有無を調べたところ、無処理あるいはミスセンスモルフォリノ導入の培養筋細胞ではアクチンが明瞭な横紋構造に組み込まれるのに対して、アンチセンスモルフォリノ導入細胞ではアクチンが不規則な集合物や太い線維状構造を形成し、横紋への構築はほとんど見られず、筋原線維形成が異常な状態となるのが観察された。コフィリンの筋原線維形成における不可欠的重要性が実証された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Taoka, M. et al.: "V-1, a protein expressed transiently during murine cerebellar development, regulates actin polymerization via interaction with capping protein."J Biol.Chem.. 278. 5864-5870 (2003)
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[Publications] Hasebe, T. et al.: "Postmetamorphic changes in parvalbumin expression in the hindlimb skeletal muscle of the bullfrog, Rana catesbeiana"Biochim.Biophys.Acta. 1646. 42-48 (2003)
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[Publications] Adachi, R. et al.: "Uptake of albumin is coupled with stretched-induced hypertrophy of skeletal muscle cells in culture"Zoological Science. 20. 557-565 (2003)
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[Publications] Sato, N.: "A novel varient of cardiac myosin-binding protein-C(MyBP-C/C-protein) that is unable to assemble into sarcomeres is expressed in the ages mouse"Mol.Biol.Cell. 14. 3180-3191 (2003)
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[Publications] Guttman, JA: "Non-muscle cofilin is a component of tubulobulbar complexes in the testis."Biology of Reproduction. (In press). (2004)
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[Publications] 阿部 洋志, 大日方 昂: "細胞骨格と細胞運動-その制御のメカニズム(アクチンフィラメント切断タンパク質、単量体アクチン結合タンパク質"シュプリンガー・フェアラーク東京. 13 (2002)