2002 Fiscal Year Annual Research Report
高温超伝導溶融バルク体の臨界電流密度の磁場中特性の制御
Project/Area Number |
14350006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
生田 博志 名古屋大学, 理工科学総合研究センター, 助教授 (30231129)
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Keywords | 溶解バルグ超伝導体 / 高温超伝導体 / 臨海電流密度 / 捕捉磁場 / 元素添加効果 / 酸素処理 |
Research Abstract |
様々な123系高温超伝導体の、元素添加や酸素処理による臨界電流密度(J_c)特性の変化を調べ、その溶融バルク体の特性との対応を探る目的で実験を行った。まず、大気中合成が可能なDy系へのCeO_2添加効果を調べた結果、J_cの変化は小さいものの、溶融時の融液の染み出しが少なく、それを反映してバルク体では捕捉磁場が10%以上上昇した。さらに、ZnOを微量添加したところ、J_cの向上が見られ、77Kでの捕捉磁場も20%上昇し、温度低下に伴う捕捉磁場の上昇率も向上した。一方、(Nd-Eu-Gd)系超伝導体の直径30mm以上の単一結晶粒試料の育成に始めて成功し、希土類サイトの組成によってJ_c特性が変化するため、211相の組成を変えることで直径30mm試料で77Kでの最大捕捉磁場1.38Tを記録した。 一方、溶融バルク体内の酸素の拡散係数は単結晶試料、多結晶試料の中間にあること、銀添加による組織の緻密化により拡散係数が低下することを明らかにした。また、Sm系ではY系よりも低温での酸素処理が必要であり、高いJ_cを得るには300℃でのアニールが必要であること、その場合、酸素拡散が遅いために直径30mm試料で400時間以上要し、試料の大型化に伴い酸素アニールの長時間化が問題であることを指摘し、それを短縮する目的で10気圧酸素下での酸素アニールを行い、100時間でほぼ同等の捕捉磁場を有する試料が得られることがわかった。 さらに、Sm/Ba置換を抑制するために通常は低酸素分圧下で育成されるSm系溶融バルク体が、大気中で育成しても予想以上に高い特性を有する原因を調べ、初期のSm/Ba置換によって組成ずれが生じるために育成の進行とともに置換が抑制され、結果として大気中であっても比較的高い特性を有する試料が得られることがわかった。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Ikuta他: "Extracting the utmost from high performance of Sm-Ba-Cu-O bulk superconductors by pulse field magnetization"Superconductor Science and Technology. 15. 606-612 (2002)
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[Publications] T.Yamada他: "Oxygen diffusivity in melt-processed SmBCO and YBCO bulk-superconductors"Physica C. 378-381. 713-717 (2002)
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[Publications] U.Mizutani他: "Application of RE123-bulk Superconductors as a Permanent Magnet in Magnetron Sputtering film Deposition Apparatus"Journal of American Ceramic Society. (印刷中).
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[Publications] T.Oka他: "Construction of a Strong Magnetic Field Generator with Use of Melt-Processed Bulk Superconductors"IEEE Transactions on Applied Superconductivity. (印刷中).