2004 Fiscal Year Annual Research Report
配向性カーボンナノ構造体の大面積・低温形成と反応ダイナミックス
Project/Area Number |
14350019
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
堀 勝 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (80242824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 俊夫 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (50023255)
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Keywords | カーボン / プラズマ / 配向性 / ナノウォール / ラジカル / 低温 / ナノチューブ |
Research Abstract |
配向性カーボンナノ構造体の形成として下記に示す研究を実行し、新規配向性カーボンナノ構造体の創成に成功した。 1.カーボンナノウォールの創成 外部の誘導結合型水素プラズマにて生成した水素ラジカルを成膜チャンバである容量結合型フルオロカーボンプラズマに導入して、成膜を行うラジカル注入プラズマCVD法にて新規カーボンナノ構造体であるカーボンナノウォールCNWの創成に成功した。外部プラズマがない場合はCNWを成膜することはできなかった。CNWは、カーボンナノチューブやカーボンナノフレークと形状を異にし、グラフェンシートが2次元構造を保ったまま、垂直に成長した壁状の構造体である。成膜チャンバへ導入するガス種(C_2F_6,CF_4,CHF_3,CH_4等)を変更することで、CNWの壁の間隔、厚み、形状を制御する技術も開発した。また、金属触媒なしでも形成することができ、シリコン、シリコン酸化膜、ステンレス等様々な基板への成長を確認した。更に、成膜チャンバへ基板を傾けて設置することで、CNWを縞状に配向して成長させることにも成功した。 CNWの生成メカニズムを解明するため、ラジカル注入型プラズマCVD装置の水素原子の絶対密度計測を実施した。外部プラズマがない場合と比較し、外部プラズマがある場合に水素密度が2倍あり、CNW形成には水素ラジカル量が重要であることが判明した。 CNWの特性として、電子電界放出特性を評価したところ、良好な放出特性を示した。更に、外部プラズマに少量の窒素ガスを添加し、CNWへ窒素原子をドープすることで、電子電界放出特性の向上を図ることに成功した。 また、大面積、高速成膜のため新しい構成のラジカル注入プラズマCVD装置を開発し、成膜速度を従来の4倍以上向上させることもできた。 2.高密度カーボンナノチューブの創成 マイクロ波プラズマCVD法にて基板より垂直に配向成長した超高密度なカーボンナノチューブの成長に成功した。金属触媒であるコバルトをレーザアブレーション法やアーク放電法にて基板へ付着させた。この基板上のCoナノ微粒子のサイズ、面内密度を制御することで、チューブサイズや密度の異なるカーボンナノチューブの垂直成長が可能であることを見出した。
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Research Products
(7 results)