2002 Fiscal Year Annual Research Report
気相水素原子と水素終端シリコン表面の反応ダイナミックス
Project/Area Number |
14350022
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
並木 章 九州工業大学, 工学部, 教授 (40126941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鶴巻 浩 九州工業大学, 工学部, 助手 (20315162)
稲永 征司 九州工業大学, 工学部, 助手 (30093959)
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Keywords | 水素原子 / シリコン表面 / 表面反応ダイナミックス |
Research Abstract |
アモルファスSiや微結晶SiのプラズマCVDでは、プラズマ中の水素原子Hが膜成長速度や膜中のダングリングボンド密度に大きく影響している。表面に飛来するHやDがどのようにSiに吸着し、どのような機構に従って吸着水素を引き抜くのかの機構をダイナミックスの観点から解明する。14年度には以下のことを行った。 (1)引き抜き反応により表面脱離する水素分子のエネルギー、及び脱離角度分布を測定するために、現有装置の改良を行った。脱離水素分子のエネルギーは、現有のクロスコリレーション法飛行時間分布測定装置に、引き抜き反応を誘起する為のRFプラズマ水素原子ビーム発生装置を搭載する事にした。その為に、RFプラズマ励起線源とその電源、及び真空排気用のターボ分子ポンプを購入した。更に、RFプラズマ水素原子線源を搭載する為の2段差動排気型真空チャンバーを設計し、業者と製作方法に関して相談した。 (2)引き抜き反応の結果生ずる脱離分子の角度分布測定を行うために、現有表面反応装置の質量分析計(QMS)をアパーチャーを介した差動排気チャンバーに搭載した。サンプルの回転により脱離角度を制御し、H+D/Si(100)反応系にて、脱離するHD,及びD2分子の角度分布を測定した。その結果、HDは表面垂直方向にピークを示すが、D2分子は約20度方向にピークを示した。この結果は初期の予想と反対となった。D2の脱離は2水素化Si相からの熱脱離と同じでると予想しており、表面垂直方向への脱離が考えられていた。15年度には更に高精度の実験を行って、モデルの再検討を行う予定である。 (3)引き抜き用水素原子ビームをチョップし、H+D/Si(100)でのD2脱離脱離分子のビームオフ時の強度を表面温度の関数として求めた。その結果、600K程度の高温ではD2収量が確認でき、遅れて脱離が発生していることが直接確認できた。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] T.Sagara, T.Kuga, et al.: "Translational Heating of D2 Molecules Thermally Desorbed from Si(100) and Ge(100) Surfaces"Phys. Rev. Letter. 89・8. 86101-1-86101-4 (2002)
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[Publications] F.Khanom, A.Aoki, et al.: "Dabstraction by H on Si(111) surfaces"Surface Science. (in press). (2003)
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[Publications] H.Tsurumaki, et al.: "Adsorption and desorption of deuterium on partially oxidized Si(100) surfaces"Physical Review B. (in press). (2003)