2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350025
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
上田 一之 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60029212)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉村 雅満 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (40220743)
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Keywords | 水素 / 水素の拡散 / 電子励起脱離 / 水素顕微鏡 / TOF-ESD / ポーラスシリコン |
Research Abstract |
固体表面における水素の拡散現象は金属学においても、半導体デバイスにおいても重要なことである。水素を検出する手法として、飛行時間型の電子励起脱離法(TOF-ESD)が上田らにより開発され、これが水素検出顕微鏡に発展して、空間分解能1ミクロンに達している。固体表面上で水素の拡散が非常にゆっくりならば1ミクロンの精度で水素の振る舞いを観察することができる。ところが、室温では水素は相当早く拡散しており、特に周辺に酸素が存在するとその動きはさらに活発になる。従って、試料を冷却して行うことになる。 これに対し酸化物の酸素は熱解離によって拡散がおこるので、試料加熱によって生じる酸素の挙動を調べることができる。TOF-ESDは水素のみでなく酸素にも感度が高いので、ポーラスシリコンと窒化シリコンからの酸素の挙動を水素の表面分布との関連において調べた。アモルファスシリコンの熱安定性が悪いためにその上に形成された窒化シリコンが熱分解し、異なった吸着エネルギーを持つ酸素が検出される事がわかった。 一方、水素の定量性はまだ議論の余地のあるところであるが、TOF-ESDとヘリウムイオンによる水素の反跳を利用したERDAによる定量方法を組み合わせるとESDの定量生が議論できるようになる。このアイデアにより、シリコン表面に超高真空中で吸着する水素の挙動と熱解離した水素の吸着課程をESDとERDAのin-situ測定で観察し水素の定量性の可能性を示した。この2点につき重点的に研究し、水素の拡散については試料台の冷却機構を作成中である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 柴田秀幸, 安 東秀, 吉村雅満, 上田一之: "Si(001)c(4x4)-Snの走査トンネル顕微鏡-同軸型直衝突イオン散乱分光法による解析"真空. 46・3. 162-165 (2003)
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[Publications] K.Umezawa, T.Tatsuta, S.Nakanishi, K.Ojima: "Layer-by-layer surfactant-induced growth of Ag on Cu(111): an impact collision ion scattering spectroscopy and scanning tunneling microscopy study"Surface Science. 529・1-2. 95-106 (2003)
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[Publications] K.Ojima, M.Yoshimura, K, Ueda: "Structural and Electronic Properties of Barium Silicide on Si(100)"Jpn. J. appl. Phys. 41. 323・7B. 184-186 (2002)
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[Publications] M.Ishikawa, M.Yoshimura, K.Ueda: "Carbon nanotube as a probe for friction force microscopy"Physica B. 323. 184-186 (2002)
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[Publications] 上田 一之: "走査型水素検出顕微鏡による水素の2次元分布"金属. 72・7. 6-9 (2002)
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[Publications] M.Ishikawa, M.Yoshimura, K.Ueda: "A study of friction by carbon nanotube tip"Appl. Surf. Sci.. 188. 456-458 (2002)