2003 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー放射圧と自己組織化現象を用いる3次元フォトニック結晶創成法の開発と応用
Project/Area Number |
14350026
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Research Institution | Kitami Institute of Technology |
Principal Investigator |
原田 康浩 北見工業大学, 工学部, 助教授 (80198928)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 勝弘 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30311517)
岩井 俊昭 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (80183193)
曽根 宏靖 北見工業大学, 工学部, 教務職員 (00333667)
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Keywords | フォトニック結晶 / 光放射圧 / 自己組織化 / 微粒子凝集体 |
Research Abstract |
本年度も,昨年度に引き続き単光束レーザー光照明によるフォトニック結晶創成法を中心として,効率的に微粒子凝集規則構造を得るための条件明らかにするために,計算機シミュレーションと実験の両面から研究を進めた.シミュレーションでは昨年度の数理モデルに加えて微粒子濃度が高い場合に起こる微粒子同士の衝突と積層を再現するモデルヘと修正を加え,本年度新たに導入した高性能のサーバマシン上で実施し,もっとも効率的に微粒子凝集規則構造が実現できる条件を調べた.実験では,既存の落射蛍光顕微鏡とアルゴンレーザー,ならびに昨年度本研究費補助金により導入した顕微鏡用自動微動ステージを組み合わせて,生成される微粒子規則構造の特性について調べた.その結果,以下の点が明らかとなった. 1.計算機シミュレーションのよる知見 ・形成される微粒子凝集構造の大きさは,照射レーザー光のスポット径で制限され,それ以上のサイズでは構造が不安定となる. ・小さなスポット径でレーザー光を照射した場合,そのスポット径と同程度の大きさで微粒子の多層構造,すなわち3次元規則構造が生成できる可能性を確認した. 2.実験による知見 ・計算機シミュレーションで予想された微粒子凝集構造の大きさのスポット径による制限を,実験により確認した.このことから,大きいサイズの微粒子規則構造を生成するためには,単光束照射では限界があることが分かった. ・対象とする微粒子懸濁液を保持するセルの形状として,軸対称性のある円筒形状が適していることが分かった. なお,単光束照明で形成される微粒子凝集構造の大きさの限界から,並行して当初の目的である多光束照明による規則的な干渉光強度分布による微粒子トラップでの実現も進めている.理論解析の結果を基に,形成過程のシミュレーションプログラムの開発と倒立蛍光顕微鏡による試作装置の開発を進めているところである.
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