2003 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス飛跡検出器(BP-1)に対する多量処理システムの開発
Project/Area Number |
14350042
|
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
道家 忠義 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 名誉教授 (60063369)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
俵 裕子 高エネルギー加速器研究機構, 放射線研究センター, 助手 (30188453)
小倉 紘一 日本大学, 生産工学部, 教授 (60059681)
長谷部 信行 早稲田大学, 理工学総合研究センター, 教授 (10127904)
安田 仲宏 放射線医学総合研究所, 研究員
中村 正吾 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50212098)
|
Keywords | 貫通孔検出器 / BP-1ガラス / CR-39 / 質量分解能 / ECCO / ENTICE / HNX-衛星 |
Research Abstract |
今年度の研究実施の経過は、次の通りである。 (1)昨年度から継続の真空紫外光を使用した貫通孔検出装置は一応完成し、その検出感度の限界は、実際のBP-1ガラスを使用して50μm以下と確認された。ガラス表面を科学的に銀メッキすることによって、真空紫外光方式より遥かに容易な可視光を使用した貫通孔検出法が考案され、簡単なテストで30μmの穴も容易に検出されえることが分かった。この可視光方式は、製作も容易で安価なため、現在、そのための貫通孔検出器が製作されつつある。 (2)自動飛跡解析装置は、一応、今年度で完成し、漸く、そのテストが開始された。近くその結果が明らかになるはずである。 (3)今年度は、BP-1ガラスの貫通孔検出実験の外、CR-39を使用した鉄の同位元素弁別の実験に大きな進歩があった。まだ、質量分解能が0.3amu前後と十分ではないにしろ目標の0.2amuとかなりそれに近く、更に、近い内に、その目標値に近い値が得られるものと期待されている。そのため、このグループでは、米国グループの計画がうまく行かない場合にも、日本だけでも独自の中規模実験が可能なように、この方式を利用した次に述べるようなECCO計画に準ずる計画を立てつつある。そのため、今後、この種の技術開発もこのグループで取り上げてゆく予定である。 (4)原子核乾板用飛跡検出器が、現在考えられている飛跡検出法に適用されるかどうかは、この3月から組織的に検討を始めたいと考えている。 米国におけるHNX衛星計画は、現在、ECCOとENTICEとが完全に切り離され、それぞれ独自に飛翔計画を立てていると言うのが実情である。我々は勿論ECCO側に属しているが、いざと言う場合を考えCR-39を用いた同位元素弁別法を使用して、より僅かな露出面積で同様の成果を示せる方法を確立し、そのためのわが国独自の衛星計画樹立することを望んでいる。
|