2005 Fiscal Year Annual Research Report
ガラス飛跡検出器(BP-1)に対する多量処理システムの開発
Project/Area Number |
14350042
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
道家 忠義 早稲田大学, 理工学術院, 名誉教授 (60063369)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷部 信行 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (10127904)
小倉 紘一 日本大学, 生産工学, 教授 (60059681)
俵 裕子 高エネルギー加速器研究機構, 放射線研究センター, 助教授 (30188453)
中村 正吾 横浜国立大学, 工学部, 助教授 (50212098)
安田 仲宏 放射線医学総合研究所, 研究員
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Keywords | BP-1 / CR-39 / 貫通孔検出器 / 自動飛跡解析器 / 多量データ処理 / 飛跡スキャンニング / 資料の自動処理 / DAP |
Research Abstract |
この研究の結果は、次の5点に要約される。 (1)初めに、飛跡検出器,BP--1、を用いて貫通孔の位置をすばやく読み取るための装置の開発を行った。従来、アンモニアなどを使用した方法がとられていたが、我々はそれを光学的な方法におき換え、すばやく孔の位置を検出する方法を複数考案し、それらのテスト装置を製作した。その結果は、2年ほどで、予期以上の成果を生んだ。データの多量処理という点では、従来のアンモニア使用の際の10倍以上の速度で貫通孔の位置を決定することが出来ることが示された。 (2)多量のデータ処理にあたって自動解析装置のスピード・アップが問題である。これまで1視野に対してデータ処理していたものを、それらをライン上に並べられたCCDを使い、一挙にスキャンニングすることによって、速度を50倍近く上げることに成功した。これは極めて画期的なことで、従来、飛跡解析には、自動スキャンニング装置を多数並べてデータ処理する必要があると考えられていたものが、僅か2-3台で十分事足りるようになった。既に、この方式は、実用化されている。 (3)今年度の主目的であった資料の自動化は、本年度になってやっと全体が整い、自動化のテストが開始された。一応の自動化のテストには成功したものの、未だ、細かい操作に問題が残されている。しかし、それを使いこなすのは時間の問題のように思われる。 (4)以上の4年間の間に途中から入ってきたものとして、ある程度同位元素弁別の可能性のあるCR-39がこのような多量処理システムで使用できるようにならないかと云う問題がある。その問題を解決するためには、低Zの粒子に対する感度を抑えることが必要で、そのためDAPをCR-39にdopeすることを試みた。しかし、未だ、同位元素の弁別とDAPの混入とで、われわれが希望している特性のものは得られていない。おそらく、これは今後、研究が継続さるべき問題の一つである。 (5)最後に、我々は、多量のデータ処理のために、当初、原子核乾板用の自動飛跡解析装置の利用も考えていたが、飛跡スキャンニング・スピードの革命的なスピード・アップのため、この要求は完全に不要となった。
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Research Products
(2 results)