2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350044
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Research Institution | Japan Atomic Energy Agency |
Principal Investigator |
坂佐井 馨 特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 副主任研究員 (00343913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 龍也 特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 研究員 (60354768)
松林 政仁 特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 副主任研究員 (50354767)
片桐 政樹 特殊法人日本原子力研究所, 中性子利用研究センター, 主任研究員 (90354886)
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Keywords | 中性子イメージングプレート / 輝尽性蛍光体 / ガンマ線感度 / 中性子感度 / SrBPO_5:Ce^<3+> / SrF_2 / CaBPO_5:Ce^<3+> / CaF_2 |
Research Abstract |
ガンマ線感度の低い輝尽性蛍光体の探索にあたり、比較的軽元素からなり、密度の小さいこと、及びホウ素等の中性子有感物質を母体に含むことを探索指針として、本年度は以下の輝尽性蛍光体を作成してその特性を調べた。 1.SrBPO_5:Eu^<2+>+SrF_2 中性子感度を増大させるため、SrBPO_5:Eu^<2+>にSrF_2を添加したものを作成し、これが中性子に対して輝尽性蛍光を有することを新たに見出した。輝尽性蛍光量はSrF_2を添加しない場合比較して同程度であった。SrF_2添加によりホウ素の量が相対的に減少しているため、単位吸収中性子あたりの輝尽性蛍光量は増大していることを意味する。 2.SrBPO_5:Ce^<3+>+SrF_2 SrF_2添加により輝尽性蛍光量が増大することを見出した。その増大率は添加モル比が1:1の場合、アルファ線に対して7.7倍、中性子に対して6.3倍であった。これはSrF_2添加により電子トラップ源となる空孔の量が増大したためと考えられる。実際、輝尽性蛍光励起スペクトル測定ではSrF_2添加前には存在しなかった650nmにおけるピークが観測された。 3.CaBPO_5:Ce^<3+>+CaF_2 CaBPO_5:Ce^<3+>が中性子に対して輝尽性蛍光を有することを見出すと共に、CaF_2添加により輝尽性蛍光が飛躍的に増大することを確認した。その増大率は添加モル比が1:1の場合、アルファ線で50倍以上、中性子で27倍であった。中性子による増大量がアルファ線より小さいのは、CaF_2添加により、相対的に中性子有感物質であるホウ素の量が減少しているためである。 4.Li_2BPO_5:Ce^<3+> 本物質は合成は可能であったが、残念ながら輝尽性蛍光は確認できなかった。しかし、紫外線による即発蛍光は大きなものが観側されたため、中性子用高速シンチレータとして使用可能である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] K.Sakasai et al.: "A SrBPO_5:Ce^<3+> storage phosphor for neutron imaging"Proceedings of 16^<th> Meeting of International Collaboration on Advanced Neutron Sources, May 12-15, 2003, Dusseldorf-Nuess, Germany. 447-453 (2003)
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[Publications] K.Sakasai et al.: "Characteristics of a SrBPO_5:Eu^<2+> Material as a Neutron Storage Phosphor"IEEE Transaction on Nuclear Science. Vol.50(4). 788-791 (2003)
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[Publications] 坂佐井馨他4名: "中性子イメージング用新輝尽性蛍光体"放射線. Vol.29(4). 189-197 (2004)