2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350045
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
杉原 正顯 名古屋大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80154483)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三井 斌友 名古屋大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (50027380)
松尾 宇泰 東京大学, 大学院・情報学環, 講師 (90293670)
須田 礼仁 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助教授 (40251392)
高橋 大介 筑波大学, 電子・情報工学系, 助教授 (00292714)
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Keywords | 球面調和関数変換法 / FMM(高速多重極子展開法) / 一般化FMM / 不等間隔FFT / FFT / Gauss点 / 偏微分方程式 |
Research Abstract |
球面上の偏微分方程式の高速数値解法の要素技術,特に高速球面調和関数変換法と不等間隔高速Fourier変換法に関して研究を進めた. 1.高速球面調和関数変換法:我々の初期のアルゴリズムは高速多重極子展開法(FMM)にその高速性を負ったものであった.そして,展開系としては,当初Taylor展開を用い,その後Chebyshev補間に基づく展開へと改良を行ってきた.今年度は,低階数近似に基づく高速算法(一般化FMM)を開発した.この「一般化FMM」は,特定の関数系を対象にしていた従来のFMMとは異なり,数値的に行列を圧縮するため,高精度の近似展開が未知の関数系に対しても効率的な計算を達成することができる.そして,この一般化FMMを用いて,従来は分離ルジャンドル関数を用いて定義されていた我々のアルゴリズムを,分離を用いない形のアルゴリズムにすることに成功した.また,アルゴリズムを単純に実装しただけではプログラムは不安定となる.そこで誤差と安定性の解析・最適化が必要となる.我々は行列積のノルムを対偶スケーリングした一貫性不等式で評価する手法,および数値的な安定性の指標としてαβ積という概念を提案し,誤差と安定性の解析および最適化を実現した. 2.不等間隔高速Fourier変換法:球面上の偏微分方程式を数値的に解く場合,球面上の緯度方向の分点は,Gauss点にとることがよく行われる.この場合,Gauss点上のデータを用いた高速Fourier変換法がアルゴリズムの高速化の鍵となる.今年度は,この不等間隔高速Fourier変換法を実装し,その評価を行った.その結果,従来提案されていた不等間隔高速(順)Fourier変換法は,Fourier(順)変換法の離散版としては適切ではないことが判明した.
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Research Products
(3 results)