2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350056
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
箕島 弘二 京都大学, 工学研究科, 助教授 (50174107)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷 周一 三菱電機(株), 先端技術総合研究所, マネージャー(研究職)
田中 和人 京都大学, 工学研究科, 助手 (50303855)
駒井 謙治郎 京都大学, 工学研究科, 教授 (70025948)
番 政広 三菱電機(株), 先端技術総合研究所, マネージャー(研究職)
|
Keywords | マイクロマテリアル / 薄膜 / 機械的特性 / 曲げ試験 / 疲労試験 / FEM / インデンテーション / 弾性係数 |
Research Abstract |
マイクロマシンやマイクロエレクトロメカニカルシステム(MEMS)の実用化は,機械としての信頼性を確保した上で初めて成り立つものである。近年では,Si単結晶ウェハなどを用いたバルクマシーニングによるマイクロ構造体にくわえ,従来は機能材料として用いられてきた厚さが数μm以下の薄膜が構造材として用いられるようになってきたが,その疲労を含む強度特性,切欠き感受性,さらに曲げ・引張応力負荷モードの影響など,マイクロシステムを設計する上での基本的な特性データは皆無である。本研究ではナノインデンテーション用に開発されている超微小荷重負荷装置に,荷重負荷位置同定機構および曲げ疲労試験が可能となる計測・制御システムを新たに開発・組み合わせることにより,サブμm-数μm厚さの薄膜の静的曲げ試験や疲労試験が可能となる薄膜用機械的特性評価試験機を試作することを目的とする。本年度は超微小荷重負荷装置と超精密X-Yステージを導入することにより,任意の位置に±0.5μmの精度で微小荷重を負荷できることを確認した。さらに,表面マイクロマシーニングにより厚さ3.5μm,幅5μmのポリシリコン片持ちはりを作製し,この片持ちはりの曲げ試験が行えることを確認した。また,曲げ応力下において荷重と荷重点変位の関係より薄膜の弾性係数を求めるために,荷重点変位を校正する必要があるが,これに対してはりの固定端の変形を考慮した変形シミュレーション解析を実施した。あわせて,本微小荷重負荷機構を用いた薄膜に対するナノインデンテーションが可能であることを確認し,これより求まる弾性係数と前述の荷重点変位を校正して求めた弾性係数,および別途行った引張荷重負荷条件下で求めた弾性係数を比較・検討した。さらに,曲げ応力負荷条件下において薄膜マイクロエレメントの疲労試験が可能となるように,制御ソフトウェアの開発を行っている。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 箕島 弘二: "マイクロマシン/MEMSの現状と将来展望"まてりあ. 41・10. 668-672 (2002)
-
[Publications] 箕島 弘二: "多結晶シリコン微小素子の引張強度特性評価"日本機械学会関西支部第78期定時総会講演会論文集. 203・1-203・2 (2003)
-
[Publications] 箕島 弘二: "薄膜マイクロエレメント機械的特性評価試験機の開発"日本機械学会関西支部第78期定時総会講演会論文集. 614・1-614・2 (2003)