2004 Fiscal Year Annual Research Report
強磁性形状記憶合金薄膜による磁場動作型マイクロアクチュエーターの開発
Project/Area Number |
14350061
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
小寺澤 啓司 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50047594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 尚三 兵庫県立大学, 工学研究科, 教授 (50193587)
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Keywords | Fe-Pd合金 / 強磁性形状記憶合金 / 薄膜 / スパッタリング / マルテンサイト変態 |
Research Abstract |
約30at%のPdを含むFe-Pd合金は温度変化によってfct-fcc熱弾性型マルテンサイト変態が生じるだけでなく、強磁性材料であり磁場によってもマルテンサイト変態が誘起されることが知られている。従って、温度だけでなく磁場のon/offによっても形状記憶効果を発現させることが可能と考えられており、Ti-Ni合金より高速に駆動できるアクチュエータ材料として期待されている。これらの合金をマイクロマシンのアクチュエータとして利用する場合、何らかの方法で薄膜化する技術を確立しておくことが必要になる。本研究では、二源スパッタリング装置を用いて組成および構造が制御されたFe-Pd強磁性形状記憶合金薄膜を作製する技術を確立した上で、磁場誘起形状記憶機能を有するマイクロアクチュエータを形成することを最終的な目標とした。 本年度は、28〜32at%のPdを含むFe-Pd薄膜について、一定応力下で冷却・加熱にともなう歪みの変化を測定する熱サイクル試験からその形状記憶挙動を定量的に評価するとともに、化学エッチングによるマイクロ加工によるアクチュエータのプロトタイプの作製を試みた。その結果、Pdが30at%未満の自立薄膜は室温以上の温度領域で形状記憶挙動を示すが、-100℃程度の低温になると不可逆的なbct変態を生じてしまうことが明らかとなった。このことは、この系の材料の使用温度に制限があることを示している。また、応力下ではクラジウス-クラペイロンの関係に従って変態温度が上昇するので、より構造の安定な30at%以上の材料を室温以上で動作するアクチュエータとして利用可能であることがわかった。さらに、この材料のリソグラフィ技術によるマイクロ加工の検討によって、実際に通電加熱による動作が可能なカンチレバー型のアクチュエータの作製に成功した。これらの成果の一部は、金属学会においてすでに発表済みである。
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