2002 Fiscal Year Annual Research Report
生体適合圧電材料創製のための原子・結晶構造設計手法およびスパッタ成膜法の開発
Project/Area Number |
14350062
|
Research Institution | Osaka Institute of Technology |
Principal Investigator |
仲町 英治 大阪工業大学, 工学部, 教授 (60099893)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 陽二 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70206150)
上田 整 大阪工業大学, 工学部, 教授 (10176589)
|
Keywords | 生体適合性 / 3元素アクチュエータ素材 / 原子・結晶構造解析 / ヘリコン波スパッタ成膜 / 圧電材料 / ペロブスカイト結晶構造 / 均質化法有限要素解析 / 薄膜創製 |
Research Abstract |
本研究では、鉛を含む圧電材料であるPZTに置換わる、高動作性と経済性、さらに生体適合性を有する新たな3元素アクチュエータ材料創製を目的とし、原子・結晶構造解析技術とヘリコン波スパッタ成膜技術の開発を行った。以下に成果を要約する。 1.原子・結晶構造解析に基づく生体適合3元素圧電材料の設計技術の開発 ペロブスカイトと呼ばれるABX3の結晶構造を持つ圧電材料の分子設計を行った。3元素酸化物ABO3がペロブスカイト構造をとるための条件として、配座、電気的中性、および電荷比を考慮した経験的な算定式の提案と実際の元素の選択を行った。 川原らによるマウス繊維芽組織由来L929細胞による生体適合材料約20種類の上記の条件を満たす構成元素の組合せはNi, Si, Oと,Cr, Al, Oと、Ti, Al, Oの3種類に絞られた。渋谷・仲町は、3元素による生体適合圧電材料の安定な分子構造を求め、圧電機能評価を行った。さらに上田・仲町は結晶均質化法有限要素解析により結晶構造解析および圧電変形解析を行った。 2.ヘリコン波スパッタ成膜法によるBio-MEMS用圧電材料創製技術の開発 構成元素組成に敏感な生体適合圧電材料薄膜に汚染物が混入せず、ペロブスカイト構造を持つ薄膜を創製することが可能な高真空ヘリコン波スパッタ装置を設計製作した。分子構造設計に基づいた3元素ターゲットを用い、最適基板温度、時間、さらに構成元素の1つである酸素の導入量と圧力の最適化をする材料創製技術の開発を行った。今年度は、50nm程度のNiSiO3薄膜の生成に成功した。
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 北川俊明, 奥田雄二, 槌谷和義, 仲町英治: "Bio-MEMS用PZT薄膜創成技術の開発"日本機械学会第15回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 243-244 (2003)
-
[Publications] 井本浩平, 上辻靖智, 槌谷和義, 仲町英治: "Bio-MEMs用生体適合圧電材料創成技術の開発"日本機械学会第15回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 245-246 (2003)
-
[Publications] 仲町英治 他5名: "Bio-MEM用ヘルスモニタリングシステムの開発"日本機械学会第15回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 227-228 (2003)
-
[Publications] 仲町英治 他4名: "MOSFETを用いたBio-MEM用酵素センサの開発"日本機械学会第15回バイオエンジニアリング講演会講演論文集. 251-252 (2003)
-
[Publications] 酒井 孝, 星合壮大, 仲町英治: "チタン被覆したPZT圧電セラミックスの生体適合性の検討"軽金属. 52・12. 609-610 (2002)