2004 Fiscal Year Annual Research Report
高輝度遠紫外レーザー用高純度単結晶超平滑加工面のレーザー損傷機構とナノ構造解析
Project/Area Number |
14350077
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Research Institution | Chubu University |
Principal Investigator |
大西 直之 中部大学, 工学部, 助教授 (60201977)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 義治 中部大学, 工学部, 教授 (40029129)
吉田 國雄 大阪工業大学, 工学部, 教授 (70029338)
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Keywords | フッ化カルシウム / 遠紫外レーザ / フロートポリシング / 超精密加工 / 高分解能透過電子顕微鏡 / 表面原子構造解析 |
Research Abstract |
本研究は、(a)遠紫外レーザー用高純度CaF_2単結晶の超平滑加工とその加工表面のナノ構造解析、(b)得られた超平滑加工面におけるレーザー損傷機構のナノレベルでの解析、を目的とする。以下に、補助金交付期間の成果を総括して述べる。 1.独自開発の超精密平面研削盤による予備加工を行い、その表面性状並びに加工変質層の深さをエッチピット法と透過電子顕微鏡法(TEM)の双方により行った。その結果、超精密研削による加工変質層の深さは従来の光学研磨法と同程度であり、加工速度および形状精度は光学研磨より優れていることが確認された。 2.独自のフロートポリシング法で超精密研磨を行った表面のナノ構造評価を走査プローブ顕微鏡(SPM)および高分解能透過電子顕微鏡(HRTEM)により行った。HRTEM断面観察による原子構造評価の結果、表面下には加工による格子欠陥は観察されなかった。また、研磨面はCaF_2の(111)格子面が作る原子サイズのステップにより構成されていることが明らかになった。これによりフロートポリシングによる加工プロセスが、特定の原子面の除去によって起こっていることが実験的に検証された。 3.超精密研磨面の表面粗さは上記原子ステップが作る階段状の起伏に直接起因しており、そのステップ間隔は研磨面と(111)面との方位のずれに依存することがSPMにより明らかとなった。更に、予備加工時に結晶面方位を高精度で制御することにより超精密研磨後の面粗さを向上させることに成功した。 4.超精密研磨を行った結果、殆どの遠紫外用CaF_2単結晶のレーザー耐力は表面損傷よりも結晶自体の内部損傷に依存した。ごく一部の高品位結晶においてのみ表面損傷が支配的となり、表面粗さが小さくなるほどレーザー耐力が向上することが明らかとなった。
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Research Products
(7 results)