2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350084
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
塚田 忠夫 明治大学, 理工学部, 教授 (00016437)
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Keywords | surface roughness / plateau surface / stratified function / Gaussian filter / spline filter / Fractal / stylus tip / uncertainty |
Research Abstract |
研究計画に沿って,表面の微細凹凸をエリアで測定する三次元表面粗さ測定機を購入し,測定機の周辺機器の整備,データ収集及び二次元スプラインフィルタのソフトウェアを開発した。スプラインフィルタは,測定データの始めと終わりデータを無駄にしない性質とガウシアンフィルタと同じ減衰特性をもつという特長がある。この開発によって二次元のデータの前処理が可能となった。これを基にして,三次元に拡張できる可能性が出てきた。さらに,負荷曲線導出のアルゴリズムを開発した。 二層構造表面の微細凹凸を汎用の触針式粗さ測定機によって測定する場合,触針の先端半径が原因となって短波長微細形状が正確に得られなくなるおそれがある。より信頼性の高い結果を得るためには,新たにこの問題に取り組んで対応しておく必要性が生じ,初年度において次のような成果を得た。先端が球形の触針によって得られるデータは,球が転がったときの球の中心軌跡であり,波長が短い場合には深い谷の情報が得られなくなる。そのために,先ず微細凹凸をFFTによるパワースペクトル解析をし,ほぼ一定のパワーをもつ低周波成分の領域,べき乗則に従って振幅が減衰する比較的高い周波数成分の領域(Fractal),触針の先端半径の影響によってさらに減衰する高周波成分の領域の3領域に分類できることを定量的に明確にした。これらの3領域を直線で近似するモデルを提案し,特にべき乗則に従う領域を定量的に表現するモデルを新たに開発した。これによって波長と振幅の関係が関数表示されることから,触針先端球の中心軌跡を求めることができる。この軌跡の形状をFFT解析することにより,べき乗則に従う領域より減衰能が大きい領域が再現でき,高周波成分に対する触針先端球による影響,すなわち先端半径による不確かさを明らかにすることができた。
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