2002 Fiscal Year Annual Research Report
不安定特性回避と高効率を目的関数とするディフューザポンプの最適設計
Project/Area Number |
14350095
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
塚本 寛 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (50117305)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 禎一 八代工業高等専門学校, 機械電気工学科, 講師 (00300658)
宇野 美津夫 九州共立大学, 工学部, 教授 (60142353)
宮崎 康次 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 助教授 (70315159)
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Keywords | ディフューザポンプ / 最適設計 / 不安定特性 / 高効率 / 目的関数 / 最適化問題 / 遺伝的アルゴリズム / 計算流体力学 |
Research Abstract |
小弦節比ディフューザ(LSD)のディフューザポンプへの適用を目的にして、流れ解析(CFD)と遺伝的アルゴリズム(GA)を組み合わせた最適化計算によって、羽根付きディフューザを最適設計した。設計されたLSD付きディフューザポンプに対して、汎用流れ解析コードによる3次元内部流れ解析及びポンプ特性試験が行われ、十分な実績を持つ基準ディフューザポンプの特性と比較した結果、設計されたポンプの計算値と実験値は互いに良く一致し、設計されたポンプは基準ポンプに類似した特性曲線を有し良好な性能のポンプであることが確認された。よって、設計されたLSD付きポンプは、従来設計による基準ポンプに遜色ない特性である上に、基準ポンプより外径が小さく羽根枚数も少なく、ディフューザポンプのサイズを縮減可能なことが示された。また、本研究で提案されたCFDと最適化方法と組合わせる設計方法は流体機械の最適化設計のための簡単、かつ信頼できるアルゴリズムであることが示された。 ポンプの不安定特性評価のための目的関数を定める準備として、不安定特性の発生機構とそれを評価する関数について調べた。ディフューザ流路内部の圧力変動と羽根車主軸に作用する流体力の変動を測定し、カオス解析、周波数解析、流れ解析を行った結果、設計点付近の不安定特性は羽根車内で生じる旋回失速によるものであり、低流量域での不安定特性は羽根車内での失速やディフューザ内での複雑な非定常流れによるものと結論された。設計点付近と低流量域での不安定域では、カオス的流れがはく離、逆流といった現象に至ると考えられる。不安定特性発生域では羽根車あるいはディフューザ単体の性能に不安定特性が現れるので、単体性能を不安定特性回避の目的関数とすることが出来そうである。 次年度は、上記知見を応用して、高効率と安定性の確保という多目的最適化問題を展開する予定である。
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Research Products
(2 results)