2004 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマ照射による濡れ性改善効果を利用した急速冷却技術の開発
Project/Area Number |
14350109
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高田 保之 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (70171444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久保田 裕巳 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (10117103)
中田 直樹 JFEスチール(株), スチール研究所, 主任研究員
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Keywords | プラズマ照射 / 超親水性 / 相変化 / 沸騰・蒸発 / 接触角 |
Research Abstract |
本研究は,プラズマ照射をすることにより,固体表面が一時的に親水化する性質を利用して,物体の急速冷却を可能にする技術の開発を目的とする. これまでに,アルミニウム,銅,ステンレスの3つの材料について,(1)プラズマの照射時間と接触角の変化,(2)プラズマ照射終了直後から撥水状態に回復する過程での接触角の変化,を測定することにより,プラズマ照射と濡れ性の関係についての基礎的な情報を得た.これらの表面に対して,液滴蒸発試験を行い蒸発時間に対する接触角の影響を詳細に調べた.以下の項目が明らかになった. (1)高速度カメラによる観察から,液滴が加熱面に衝突する際に接触角の違いで液滴の広がり方が異なり,プラズマを照射した場合は非常に薄い液膜を形成する. (2)最低表面温度50℃のときの蒸発時間は接触角に依存し,接触角の低下によりアルミニウムの場合は約1/12〜1/15に,銅の場合は1/4〜1/5に短縮されていおり,超親水性の効果により伝熱が促進される.一般に120℃以下の低温領域では接触角減少の効果が大きい. (3)濡れ限界温度を調べたところ,接触角が小さくなるほど濡れ限界温度は上昇し,接触角が小さいほど濡れ限界温度は高くなる傾向を示す.アルミニウムの濡れ限界温度は最低約115℃,最高約160〜170℃であり45K〜50Kほど上昇した.銅では最低約115℃,最高約160℃であり45Kほど上昇した. 本研究の一連の実験から,プラズマ照射による濡れ性の改善効果は,急速冷却技術としての応用の可能性が明らかになった.
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Research Products
(3 results)