2002 Fiscal Year Annual Research Report
電子機器の超高発熱密度化対応のための沸騰蒸発冷却システム構築に関する基礎研究
Project/Area Number |
14350110
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
大田 治彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50150503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高比良 裕之 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (80206870)
阿部 宜之 産業技術総合研究所, 電力エネルギー部門, 研究職(グループ長)
鈴木 康一 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (10089378)
新本 康久 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30226352)
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Keywords | 沸騰 / ミクロ液膜 / センサー / 自己浸潤性混合液体 |
Research Abstract |
本年度(平成14年度)は、以下のとおり研究を行った。 (1)基礎的アプローチ 水平平面上の気液挙動と熱伝達との対応に関する実験 ・伝熱面上のセンサー加工 透明ガラス板上にマトリックス状に抵抗温度計方式の温度センサーを、直接コーティングすることにより、伝熱面温度分布計測および伝熱面温度制御、加熱量制御を行える透明伝熱面を製作した。これにより、核沸謄熱伝達の主要メカニズムであるミクロ液膜の蒸発に関する挙動を直接熱伝達に関連づけることができるようになった。 ・単成分液体に関する液膜加熱実験(予備試験) 水平下向き面で気泡を扁平として気泡の接触面積を増大させて観察を容易にし、気泡成長に伴う温度分布の変化を時間系列で測定したところ、ミクロ液膜中に急速に広がる乾き部の伸展に伴って、その部分の伝熱面温度が急上昇してゆく状況が観察され、本研究で開発されたセンサー付伝熱面の機能が正常に作動していることが確認された。 ・局所熱流束の時間変化に対するデータの精度確認と評価 基板の熱伝導計算により、表面温度一様条件と裏面付与熱流束一様条件のそれぞれに対して、最適なガラス基板材質を見出して、局所熱伝達の評価誤差について検討を行った。 ・自己浸潤性混合液体に関する液膜加熱実験 混合媒体の自己浸潤性を評価検討するにあたり、相平衡データの調査と相平衡図の作成を複数の混合媒体について行った。また自己浸潤性の基本となる表面張力の濃度および温度依存性について、実際に相平衡図上で沸謄による低沸点成分の欠乏により実現される最低の低沸点成分濃度について、界面に沿う濃度差マランゴニ力と温度差マフンゴニ力の考え方と双方の分離方法について検討を行った。 (2)応用的アプローチ 数値シミュレーション ・気液界面挙動解析のための数値計算法の検討 レベルセット法による気液界面挙動解析法について、計算の安定化と合理的な気液界面形状の時間変化を得るための手法について検討を行った。
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