2003 Fiscal Year Annual Research Report
電子機器の超高発熱密度化対応のための沸騰蒸発冷却システム構築に関する基礎研究
Project/Area Number |
14350110
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
大田 治彦 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (50150503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高比良 裕之 大阪府立大学, 工学研究科, 助教授 (80206870)
阿部 宜之 産業技術総合研究所, 電力エネルギー部門, グループ長(研究職)
鈴木 康一 東京理科大学, 理工学部, 助教授 (10089378)
新本 康久 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (30226352)
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Keywords | 沸騰 / ミクロ液膜 / センサー / 自己浸潤性混合液体 |
Research Abstract |
本年度(平成15年度)は、以下のとおり研究を行った。 1.基礎的アプローチ 加熱に伴う気液挙動と熱伝達挙動との対応に関する実験 電子機器冷却のための小型かつ高効率冷却システムを開発するために、密閉循環型狭隘流路沸騰実験を実施した。伝熱面は130mm×140mmで、V字型の溝が加工されている。テストセクションは、蒸発部、凝縮部、副流路に分かれており、伝熱面で蒸発した蒸気は、凝縮部で液化され副流路を通って再び伝熱面へ供給される。本実験により、間隙幅20mmの場合は通常のプール沸騰より22%の熱伝達の増大が、間隙幅2mmの場合は58%の低下が確認された。 長さ20mm×幅5mm×厚さ2mmのソーダライムガラスにITO薄膜をコーテイングした伝熱面を、透明容器の水の中に上向き水平に設置し、ITOヒータを通電加熱してサブクールプール沸騰を行った。伝熱面上部には伝熱面を十分覆うガラス板をサブクール度10Kの場合は4mm、40Kの場合は1mmの間隔で伝熱面に平行に設置した。加熱はバーンアウトするまで20秒と300秒の2通りの方法でほぼ一定の割合で電力を増加させ、気泡付着面積の変化を伝熱面の裏側から高速ビデオカメラで撮影し観察した。同一熱流束では、短時間加熱の方が平均的に伝熱面付着割合(付着面積/伝熱面積)は小さい。また、バーンアウトは気泡が伝熱面全体を覆わなくても、伝熱面の一部の気泡によりドライアウトするだけでも十分起こる。従って、高発熱密度電子素子の沸騰冷却では伝熱面局所の過熱度、熱流束がバーンアウトに関係する。 電子機器のヒートシンクを想定し、自己浸濡性流体を作動液体に用いて、直径4mmの細径ヒートパイプを試作し、従来技術である水を作動媒体とした同寸法の細径ヒートパイプとの熱輸送特性の比較実験を実施した。その結果、自己浸濡性流体を用いたヒートパイプでは、最大熱輸送量で最高40%の増大、熱抵抗値で最大40%の改善を図ることが実験的に確認することができた。 2.応用的アプローチ 数値シミュレーション 液膜の界面挙動を解析する基礎となる、高い密度比ならびに表面張力による圧力ジャンプを有する気液二相流動に適用可能な3次元レベルセット法に基づく数値解法を開発するとともに、その質量保存性を改良した。本手法を、気泡の合体問題、水面での気泡の破裂と液滴の生成問題に適用し、本手法の有用性を示した。また、本手法を用いて、せん断流れ場中でのガス気泡の成長・離脱問題を解析し、気液界面の変形ならびに気泡離脱の機構を明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] H.Takahira, T.Horiuchi, S.Banerjee: "An Improved Three-Dimensional Level Set Method for Gas-Liquid Two-Phase Flows"Proc.4th ASME/JSME Joint Fluids Eng.Conf.. (CD-ROM S358,FEDSM2003-45389). 8 (2003)
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[Publications] 高比良裕之, 高橋光夫: "Level Set法を用いたせん断流れ場中での気泡の成長・離脱に関する数値解析"日本機会学会第81期流体工学部門講演会講演論文集. (CD-ROM OS2-2,211). 4 (2003)
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[Publications] 高橋光夫, 高比良裕之: "せん断流れ場ならびに重力場が気泡の成長・離脱に及ぼす影響"日本機会学会関西支部第79期定時総会・講演会講演論文集. 2 (2004)
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[Publications] Koichi Suzuki, Saika Takahashi, Haruhiko Ohta: "A Study on Subcooled Pool Boling of Water-Contact Area of Bubbles Heating Surface in heating Process"Proc.Microgravity Transport Process in Fluid, Thermal, Biological and Materials Sciences III. (CD-ROM EC1,MTP-03-55). 6 (2003)
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[Publications] 森田直樹, 大田治彦, 國保章吾: "微小重力実験用センサ付高機能透明伝熱面の研究開発"日本航空宇宙学会西部支部講演会講演集. 83-86 (2003)
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[Publications] 前田剛志, 東島誠, 新本康久, 大田治彦: "大型電子機器冷却システムの性能向上に関する研究"日本航空宇宙学会西部支部講演会講演集. 87-90 (2003)