2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350111
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Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
岡田 昌志 青山学院大学, 理工学部, 教授 (60082830)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 慎二 青山学院大学, 理工学部, 助手 (30337878)
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Keywords | 自然対流熱伝達 / 懸濁液 / PIV計測 / 矩形容器 / 層形成 / 層崩壊 |
Research Abstract |
SiO_2微粒子(平均粒子径3μm)を分散させた懸濁液を矩形容器(幅40mm高さ150mm)に入れ、容器の向かい合う一組の垂直壁をそれぞれ加熱・冷却したときの自然対流に対して、(1)熱伝達率の測定と(2)流れの可視化計測を行った。(1)熱伝達率の測定において、分散液に水を用い、加熱面を高さ方向に3分割した各面の平均熱流束を熱流束計を用いて測定した。加熱・冷却面温度差があまり大きくない場合、粒子の沈降の過程で、循環流のセルが上下に成層し、下方の層から順次降下して層は消滅する。2層および3層が形成される場合について、上中下各位置の平均熱伝達率の経時変化を層境界の位置と関係付けて明らかにした。(2)流れの可視化計測では、懸濁液の流れの計測をPIV(Particle Image Velocimetry)により行った。SiO_2微粒子と分散液の屈折率を整合させるために、DMSO(ジメチルスルホキシド)水溶液を選定した。可視化用トレーサーとしてDMSO水溶液と密度の等しい架橋ポリスチレン粒子を用いた。アルゴンレーザーをシート状にして矩形容器の上方から照射し、正面から2時刻の画像をCCDカメラで撮影した。得られた画像から相互相関法により速度ベクトルを得た。加熱・冷却面温度差を大きくするに従い、(1)2層が形成され層境界が降下する場合、(2)2層が形成されるが層境界が降下している途中で層の崩壊が起きる場合、(3)層形成が見られない場合の3通りの現象が観察された。特に、層の崩壊過程が速度ベクトルの計測により明確にされた。すなわち、はじめ層境界の上下で安定した対向流となっているが、やがて層境界が傾き、冷却壁面に沿って上部の粒子濃度の薄い層から下部の層へもぐりこむ流れが生じ、その流れが上方に戻る過程で混合が生じ、層境界が崩れ、層が崩壊した。
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