Research Abstract |
構造/流体/制御の複合領域設計法として,スマート構造の最適化による振動・騒音の抑制方法を提案・開発した.そして,本研究で開発してきた設計手法に基づき,マイクロ飛行機(Micro Air Vehicle ; MAV)の必須技術である統合レーザー推進/追尾/制御システムを開発した.まず,構造解析手法,音響解析手法および最適化手法を融合し,構造体が発生する振動およびそれにより放射される音を低減すべく,構造のスマート化ならびに圧電アクチュエータ配置と制御系の統合設計法を構築した.そして,シミュレーションおよび基礎実験により,振動および音の低減効果を確認し本手法の有効性を検証した.次に,レーザー推進技術を応用したマイクロ飛行機の持続的飛行・制御を可能とすべく,統合レーザー推進/追尾/制御システムの開発を行った.本システムでは,推進用のYAGレーザー,追尾用のHe-Neレーザーおよび制御用のグリーンレーザーを同軸3重のビームとしてマイクロ飛行機に照射し,受光側で3つのレーザーを分離する.そして,それぞれのレーザーを推進用プレート,追尾用コーナーキューブリフレクターおよび制御用フォトトランジスタに照射することにより,3つの機能を同時に実現させる.本研究では,レーザー制御法として,パスル周波数変調されたグリーンレーザーを照射・検出する方法を開発し,本手法により変調周波数ごとに異なる制御指令を与えることが可能になり,制御性能の大幅な向上を達成した.実験により,本システムの基本特性を評価した結果,所望の性能を有することを確認し,移動物体上でYAGレーザーによるアブレーションを連続的に起こさせながら移動体を遠隔で制御することに成功した.
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