2004 Fiscal Year Annual Research Report
新制御方式による半導体露光装置の高速ナノメータ同期位置制御
Project/Area Number |
14350122
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
辻 輝生 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 教授 (90039090)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
二見 茂 九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 客員教授
浜松 弘 北九州工業高等専門学校, 制御情報工学科, 教授 (70390531)
牧野内 進 株式会社ニコン, 精機事業カンパニー半導体露光装置事業部, ゼネラルマネージャ(研究職)
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Keywords | 半導体露光装置 / 同期制御 / リニアモータ / ボールねじ / 動特性 / サーボ系 / 共振 / 位置決め |
Research Abstract |
本年度は半導体露光装置のウェハステージとレチクルステージの同期位置制御精度を向上する制御アルゴリズム開発を行うとともに半導体露光を想定したリニアモータ,ボールねじ,ベルトのステージにて検証実験を行った.新たに出てきた問題点に関しては,シミュレーションと実験により,解決を計った.新しい同期制御アルゴリズムによる位置決め精度を向上させるために,次の3つの内容について制御アルゴリズムの導出,制御系の設計,およびモデル機械装置による実験を行った.1)リニアモータとボールねじの駆動力発生時の動特性検証,2)サーボ系の最適イナーシャ比の検証,3)低剛性装置における機械共振の安定化と応答性の向上,である. 以下に上記3つの研究内容の概要と得られた結果を述べる. 1)リニアモータとボールねじの駆動力発生時の動特性検証 ステージの駆動機構における駆動力の応答性が位置決め精度に直接影響を与える.リニアモータでは,機構の固有振動数による応答に制限され,ボールねじでは,予圧の大きさに依存して応答が制限されることを実験で検証した.本結果は,ステージの駆動機構決定における判断基準となる. 2)サーボ系の最適イナーシャ比の検証 駆動機構側とステージ側のイナーシャ比は,位置決め時の追従性に影響を及ぼす.外乱力が加わるサーボ系の制御誤差を低減するためには,ステージ側のイナーシャを大きくし,コントローラのゲインを大きく設定すればよいという新しい知見を得た.従来ではイナーシャ比1:1が最適であるという考えである. 3)低剛性装置における機械共振の安定化と応答性の向上 共振現象により装置が不安定となり応答性が低下するため,低剛性の装置(ベルト駆動を使用)について安定化と応答性の向上を検討した.振動発生メカニズムを,制御系に組込み,良好な応答を得た.
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Research Products
(10 results)