2002 Fiscal Year Annual Research Report
ERデバイスを用いた高性能かつ安全な力感覚提示システムに関する研究
Project/Area Number |
14350131
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
古莊 純次 大阪大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70107134)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 昭夫 旭化成株式会社, 電子応用研究所, 部長(研究職)
小柳 健一 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (30335377)
武居 直行 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70324803)
|
Keywords | ER流体 / 力覚提示 / アクチュエータ / ブレーキ / 歯付ベルト駆動系 |
Research Abstract |
人間に対する力覚提示では,自然な力覚の提示と安全性が重要となる.本研究は,電場によってそのレオロジー特性が制御できるER流体を用いて,高性能・高機能かつ安全な力覚提示システムを開発することを目的とする. 本研究では,ER流体を用いることで応答性および安全性に優れたアクチュエータやブレーキが開発可能であることを確認しており,これらを用いることで微小な力覚まで正確に提示することが期待できる. 本年度は,次のことを行った. (1)開発したERアクチュエータやブレーキを用いて力覚提示システムを開発するため,ベルト等を用いた伝達機構技術の確立を行った. (2)ベルト等を用いた減速機構を使用したシステムでは,2慣性特性を考慮した制御系設計が必要である.本研究では,2慣性系制御について検討を行い,力覚提示システムの制御技術の1つの基礎を確立した. (3)ERブレーキは,正確にブレーキトルクを制御することができ,しかも応答時間は数ミリ秒と非常に高速である.上記のERブレーキを用いて,パッシブ型の力覚提示システムを開発した.このシステムでは,人間の操作力以外に駆動力はないため,本質的に安全である. (4)ERアクチュエータを用いた2次元および3次元の力覚提示システムを開発した.また,その応用例として,上肢のリハビリテーションなどへの適用を行った. (5)力覚提示システムと人間との衝突事故があった場合,その際の運動エネルギがダメージの大きさを決定する.そのため,ERアクチュエータ内部のクラッチ入力部の回転速度をできるだけ下げることが,安全性向上に大きく寄与する.そこで,クラッチ入力部の回転速度をどこまで下げても力覚提示に違和感が生じないかについて,検討を行った.
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] J.Furusho, M.Sakaguchi, N.Takesue, K.Koyanagi: "Development of ER Brake and Its Application to Passive Force Display"Journal of Intelligent Material Systems and Structures. (In press).
-
[Publications] 李亨, 小柳健一, 増冨達明, 古荘純次: "力覚提示システムのためのコンパクト型歯付ベルト駆動系の特性に関する研究"日本機械学会論文集(C編). 69・677. 132-139 (2003)
-
[Publications] 武居直行, 古荘純次, 岩越邦男: "二慣性系の慣性比と振動制御に関する一考察-駆動伝達リプルの振動抑制効果-"電気学会論文誌. 123-D・2. 149-155 (2003)
-
[Publications] 小柳健一, 古荘純次, 笠潮, 井上昭夫: "医学教育への応用が可能な広動作域・高出力を持つ力感覚提示システムに関する研究"VR医学. 1・1. 64-71 (2002)
-
[Publications] K.Koyanagi, T.Inoue, J.Furusho: "Rehabilitation Application of Force Display System Using ER Fluid"Proceedings of the 6th International Conference on Motion and Vibration Control. 2. 831-836 (2002)
-
[Publications] K.Koyanagi, J.Furusho: "Study on High Safety Actuator for Force Display"Proceedings of SICE Annual Conference 2002. 3118-3123 (2002)