2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350132
|
Research Institution | HIROSHIMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
金子 真 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70224607)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻 敏夫 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90179995)
|
Keywords | 触覚センサ / 触覚微分器 / なぞりセンサ / 触角センサ / トルクセンサ / ひずみゲージ / 表面摩擦 / 表面形状センサ |
Research Abstract |
触角微分器では,高感度変位センサを根元に配置した非直線弾性棒の先端を被検査物体に沿ってなぞる際に発生するスパイク信号から被検査物体の形状変化の微分情報を取得し,結果的にエッジ情報を強調した信号を得ることを目的としている.これまでに基本原理の確認,高感度変位センサ出力のゲイン自動調整法について考察してきた.本年度は,ヒトが触覚棒の先端で環境をなぞった際に期待される微分効果を実験的に確認した.触覚棒用ジグを新たに設計開発し,その中に触覚棒を通し,このジグを支点にしてヒトが触覚棒を操って棒の先端で環境をなぞった場合,ヒトがどの程度のエッジまで微分効果による段差を感じ取ることができるのか,また環境の摩擦によってエッジの感覚がどう変化するのかについて実験的に考察した.実験を行った結果,感覚機能を持たない触覚棒であっても,ヒトは150ミクロンの段差でもクリアに認識できることがわかった.さらにこの理由を考察した結果,段差を通過する際に触覚棒先端に発生する微小振動が指先に伝わり,これを指先内に備わっている高感度触覚センサ素子が明確に捕らえることによって,ヒトは高感度のエッジ検出機能を有しているという仮説を立てた.しかもエッジ感覚については非直線棒を使った場合に摩擦の影響を顕著に受けることもわかった.一方で,被検査物体が柔らかい場合には,以上の結果は保証されなくなり,被検査物体の硬さ計測の重要性が浮き彫りになった.しかも被検査物体が生体のように傷つきやすい場合には非接触で被検査物体の硬さを計測することがきわめて重要であることがわかってきた.本年度の研究を通じて,硬い環境下でのエッジ検出という考え方だけでなく,柔らかい被検査物体の硬さ分布,つまり硬さのエッジ検出が特に医療診断では重要であることがわかってきた.次年度はこの点を踏まえた上で,柔らかい環境下に硬い対象物が存在する場合の硬さエッジ検出へと展開していく予定である.
|
Research Products
(5 results)