高効率回転機開発のための残留応力・回転磁界考慮磁界解析法の研究

2002 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14350146
• Research Institution: Okayama University
• Principal Investigator: 高橋 則雄 岡山大学, 工学部, 教授 (40108121)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 藤原 耕二 岡山大学, 工学部, 助教授 (20190093)
• Keywords: 回転磁束 / 鉄損 / 残留応力 / 有限要素法 / モデリング法 / 回転機

Research Abstract

応力印加時と回転磁束条件下の磁気特性を単板磁気試験器を用いて測定し,これらのデータを回転機の磁界解析に適用する方法の検討を行なった。本年度の成果を要約すると,以下のようになる。
1.計測システムの構築と測定精度の検討
ディジタル方式の計測システムを構築し,システム全体における位相誤差や利得特性などをが測定精度に与える影響の検討を行なった。特に,回転鉄損測定の高精度化を図るために,磁束密度波形と磁界波形の間の位相誤差の検討を行なった。
2.応力印加時および回転磁束条件下の磁気特性の予備実験
回転機鉄心のプレス打抜時やケースへの圧入時は,鉄心に主に圧縮応力が印加されることになるので,けい素鋼板の単板試料に圧縮応力を印加して,B-H特性および交番磁界下での鉄損特性の測定を行なった。その際,圧縮により試料が変形しないように治具の工夫を行なった。また,回転機鉄心に生じる種々の形状の楕円回転磁束条件下での鉄損を二次元単板磁気試験器を用いて測定した。その際,高磁束密度での測定精度が悪化するので,測定精度向上のための予備検討を行なった。
3.応力印加時及および回転磁束条件下の磁気特性モデリング手法の検討とシミュレーションによる検証
飽和に至る高磁束密度領域までの応力印加時のB-H曲線および鉄損曲線の近似法の検討を行なった。また,代表的な組合わせにおける回転磁束条件下の鉄損の測定結果から,任意の回転鉄損を補間によって求める方法を確立した。モデリング結果を有限要素法による磁界解析システムに組み込んで,電気学会の調査専門委員会で提案された鉄損計算法検討用PMモータの解析を行ない,妥当な鉄損分布が得られていることを確かめた。

Research Products

• [Publications] 岩田恵治: "電磁鋼板の超低周波励磁条件下における二次元磁気特性測定法に関する検討"電気学会マグネティックス研究会資料. MAG-02-81 (2002)
• [Publications] 中屋祐之: "歪んだ楕円回転磁界を考慮した回転機鉄損の検討-電気学会モデルを用いた解析-"電気学会静止器・回転機合同研究会資料. SA-02-22, RM-02-58 (2002)
• [Publications] 三村洋之: "二次元磁気特性測定用単板磁気試験器の励磁特性"電気学会マグネティックス研究会資料. MAG-02-188 (2002)
• [Publications] 中岡將吉: "単板磁気試験器を用いた温度と磁気特性の相関に関する検討"平成15年電気学会全国大会. 2-161 (2003)