2002 Fiscal Year Annual Research Report
液体窒素冷却型超伝導電力機器に用いる導体とコイルの高性能化に関する基礎研究
Project/Area Number |
14350149
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
住吉 文夫 鹿児島大学, 工学部, 教授 (20136526)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川越 明史 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40315396)
川畑 秋馬 鹿児島大学, 工学部, 助教授 (00244260)
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Keywords | 高温超伝導 / 線材 / 導体 / コイル / 損失 / 電磁特性 / ポインチングベクトル / 電力機器 |
Research Abstract |
液体窒素を冷媒とする超伝導電力機器は、軽量化や高効率化に期待した従来機器のリプレースのみならず、新しい機能を持つ機器の開発という観点からも注目されている。しかしながら、高温超伝導テープ線材が大きな交流損失を発生することと、特に実用化に最も近いBi-2223多芯テープ線材では幅広面に垂直な横磁界により臨界電流が劣化することが、大きな障害になっている。 本研究では、液体窒素冷却型の超伝導電力機器を実用化するために、高温超伝導の導体とコイルの高性能化を目指して次の基礎研究を行う。(1)導体の構成要素であるテープ線材の短尺電磁特性を、磁界と電流の様々な条件下で測定できるオリジナルの「ポインチングベクトル法」を応用して、長尺または大型の実導体まで測定できるようにする。(2)Bi-2223多芯テープ線材で起こる電磁現象が、導体やコイルでどのように現れるか、実験と理論の両面から明らかにする。(3)我々の提案した低損失の大容量コイル製造法に関連して、それに適した導体の電磁特性を実験と理論の両面から明かにする。 平成14年度は主に、ポインチングベクトル法を応用した損失測定装置の設計・試作と、測定を開始した。特に、計画した2つの装置のうち、長尺のソレノイドコイル状試料を測定できる装置(装置1)の開発は順調に進んだ。この装置では、試料コイルの内側と外側の両方に付けた電圧リードとピックアップコイルを室温空間から動かして、疎巻コイルや多層巻コイルさらに導体断面形状が複雑なコイルでも測定できるようにした。また、液体窒素温度77Kのみでなく、過冷却窒素温度66Kでも測れるようにした。一方、ポインチングベクトル法を応用して往復直線状大型導体試料の電磁特性が測定できる装置(装置2)の詳細設計を行った。また現在、装置1により測定した長尺のBi-2223テープ線材の通電損失結果について理論的に検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Fumio Sumiyoshi: "Development of Bi-2223 coils without degradation due to face-on oriented magnetic fields applied to wound tapes"Physica C. 372-376. 1402-1405 (2002)
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[Publications] F.Sumiyoshi: "Poynting vector method : ac loss measurement of long HTS tapes or wires wound into a solenoidal-coil"IEEE Trans. Appl. Supercond.. (to be Published). (2003)