2002 Fiscal Year Annual Research Report
位相検出による高周波キャリア型薄膜磁界センサの高感度化
Project/Area Number |
14350214
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
荒井 賢一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (40006268)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
薮上 信 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00302232)
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Keywords | 高周波キャリア型薄膜磁界センサ / 位相計測 / 超高感度磁界計測 |
Research Abstract |
本研究では高周波キャリア型薄膜磁界センサにおいて出力信号の位相変化を計測することにより、高感度磁界計測への可能性を示すことを目的とした。まず外部磁界による急峻な位相変化が起こりうるかどうかを簡単なシミュレーションにより見積もった。その結果微小な外部磁界に対して理想的には出力信号の位相が約180deg程度急峻に変化しうることを見積もり、高感度磁界検出の可能性を示した。 次にこの見積もりに基づき、CoNbZr薄膜により構成した高周波キャリア型薄膜磁界センサ素子を微細加工により作成し、プリント基板上に試作した搬送波抑制回路とともにセンサユニットを構成し、見積もりどおり位相が急峻に変化することを実験的に示した。直流の微小磁界による出力信号の位相変化の傾きは最大で18000deg/Oeであり、高感度磁界検出の可能性が実験的に示された。この位相変化の傾きは搬送波抑制回路における搬送波の抑制率、出力信号の安定性、再現性とのトレードオフの関係にあることを定量的に示した。実験の結果から再現性、安定性の良好な位相変化率である約450deg/Oeの条件において、位相変化を時間変化として取り出すことを想定して、実現可能な磁界検出分解能を見積もった。微小時間差測定法として代表的な方法であるDual Mixer Time Difference(DMTD)法を用いることを仮定すると、得られると予想される磁界検出分解能は4×10^<-9>Oe/√Hzであり、室温で動作する磁界センサとしては未踏のSQUIDに匹敵する超高感度が得られることが見積もられた。
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Research Products
(2 results)