2003 Fiscal Year Annual Research Report
数値解析と要素実験を通信結合させた自己学習型RC構造物性能照査システムの開発
Project/Area Number |
14350231
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井上 純哉 東京大学, 大学院・工学系研究科, 講師 (70312973)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
足立 正信 東電設計(株), 技術開発本部, 部長(研究職)
石田 哲也 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (60312972)
前川 宏一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (80157122)
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Keywords | 材料の不確定性 / エレメントフリー法 / 地中構造物 / 隅角部 / 寸法効果 / せん断破壊 / 鉄筋配置 / 応力伝達機構 |
Research Abstract |
本研究は,局部破壊領域の応答を要素実験から得て,それ以外の領域は構成則と連携させた有限要素を使用する方法を開発しようとするものである.最終的には情報技術を応用する事で,実験によって代表させた領域での局所変形と力の関係に関する情報をそのまま構成則開発の検証データとする事を目標とした. 本研究で想定されている実験はあくまで要素試験であり,得られる情報は要素の統計的な挙動に過ぎない.しかし,実現象を予測するためには個々の不確定な挙動を有する部材の集合体であ構造物の挙動を予測する必要がある.そこで本年度は他の要素試験の開発と平行し,材料の不確定性のみならず,複雑なRC構造物を容易にモデル化する事を可能にする事を目的に,エレメントフリーガラーキン法を摂動展開及びPC展開を用いて拡張した.開発された手法を様々な境界条件におけるモンテカルロシミュレーションの結果との比較により,その有効性及び効率性を示す事が出来た. 地中鉄筋コンクリート構造の接合部および隅角部に対して,自己質量調整型仮想材料モデルによって配筋を生成し,施工が可能で,しかも曲げせん断力を適切な裕度で伝達できる設計を実際に提示した.欧州で従来から用いられてきたstruct-tieモデルとの最大の違いは,寸法効果を配筋設計に直接的に取り入れることができる点にある.本研究成果の特質はせん断破壊の寸法効果が顕著となる大型部材に対して特に有効であると考えられる. 地下構造物の隅角部のせん断破壊には,土圧条件と同時に寸法および鉄筋配置詳細が大きく関与していることも実験ならびに解析から明らかになった.寸法の違いによって施工性や使用可能な鋼材径が異なるため,破壊現象の詳細は相似ではない.この問題に対しても本研究を適用した結果,小型隅角部では開口方向の変形に対して角部内部にせん断破壊が生じるのに対し,実規模トンネル断面ではその危険性が格段に低下し,たとえ発生したとしてもそれ以後の応力伝達機構は阻害されないことが,実験ならびに解析で示すことができた.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Xuehui AN, Koichi MAEKAWA: "Computer aided reinforcement design of RC structures"Computers and Concrete. Vol1, No.1. 15-30 (2004)
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[Publications] 田嶋仁志, 岸田政彦, 半井健一郎, 前川宏一, 山本一敏: "開削トンネルの隅角部付近の耐荷機構分析と耐震性能"構造工学論文集. Vol.50A. (2004)
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[Publications] 田嶋仁志, 岸田政彦, 前川宏一, 大野了: "開削トンネル隅角部周辺の耐震性能に関する実験的検討"構造工学論文集. Vol.50A. (2004)
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[Publications] Junya INOUE, Hiroaki SUGITA: "Fourth order approximation of fluid flow through rough-walled rock fracture"Water Resources Research. Vol.38, No.8. 10.1029/2002WR001411 (2003)
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[Publications] H.M.Kim, I.Inoue: "Analytical approach for anisotropic permeability through a single rough rock joint under shear deformation"Journal of Geophysical Research. Vol.108, No.B8. 10.1029/2002JB002283 (2003)
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[Publications] 井上純哉, 金亨穆: "材料の不確定性を考慮したエレメントフリーガラーキン法の拡張"土木学会論文集. I-67. (2004)