2003 Fiscal Year Annual Research Report
土木構造物の構築におけるコンクリートの微量成分の環境影響評価
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14350236
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Research Institution | Independent Administration Institution, Public Works Research Institute |
Principal Investigator |
河野 広隆 独立行政法人土木研究所, 技術推進本部, 主席研究員 (80344018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河合 研至 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90224716)
小澤 一雅 東京工業大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (80194546)
坂井 悦郎 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (90126277)
久田 真 独立行政法人土木研究所, 技術推進本部, 主任研究員 (80238295)
杉山 隆文 群馬大学, 工学部, 助教授 (70261865)
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Keywords | 微量成分 / コンクリート / コンクリート工事 / 六価クロム / 環境庁告示第46号法 / 還元 / モノサルフェート |
Research Abstract |
本研究課題では、コンクリート工事の各段階でコンクリートから溶出する懸念のある成分として、六価クロムをはじめとする重金属類について、その溶出現象のメカニズムを明らかにし、予測手法を確立することを自指した。平成15年度においては、六価クロムに関する検討として、セメント系水和物による六価クロムの固定・溶出メカニズムに関する検討を行った。また、その他の重金属に関する検討として、Cu^<2+>ならびにZn^<2+>のセメント硬化体からの溶出に関する検討を行った。その結果を以下にまとめる。 (1)セメント系水和物のうち、モノサルフェートは六価クロムの収着量が大きく、再溶出量も小さかった。このことから、六価クロムはモノサノレフェートの結晶構造に取り込まれ、強く固定されているものと推察される。また、カルシウムシリケート水和物と水酸化カルシウムは、六価クロムを表面において吸着しているものと思われ、固定する能力は低い。エトリンガイトは六価クロムを全く収着しない。 (2)セメント硬化体からのCu^<2+>ならびにZn^<2+>の溶出量は、浸せきする溶液の温度の影響を受けるが、溶媒としてpHが4程度のものや脱イオン水を使用しても影響を受けないことが明らかとなった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Kenji Kawai, Takeshi Kaya: "An Evaluation of Methods for Measuring Heavy Metal Leaching from Concrete Structures"Proceedings of Sixth CANMET/ACI International Conference on Durability of Concrete. 211-225 (2003)
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[Publications] 河合研至, 賀谷剛志, 松村健司: "モルタルからの重金属溶出評価試験方法"セメント・コンクリート論文集. No.57. 731-738 (2004)
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[Publications] S.Takahashi, M.Daimon, E.Sakai: "Sorption of CrO42- for cement hydarates and the leaching from cement hydrates after sorption"Proc.11th Int'l Cong.chemistry of Cement. Vol.2. 2166-2173 (2003)
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[Publications] 坂井悦郎, 久田 真, 杉山隆文: "セメント・コンクリートからの微量成分の溶出と水和物の溶脱"コンクリート工学. Vol.14. 18-22 (2004)
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[Publications] 盛岡実, 中村圭介, 七沢章, 坂井悦郎, 大門正機: "各種カルシウムアルミネートの水和にともなう六価クロム収着挙動"Journal of the Japan Society for Inorganic Materials. Vol.10. 355-362 (2003)
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[Publications] Worapatt RITTHICHAUY, Takafumi SUGIYAMA, Yukikazu TSUJI: "Development of a calculation model for ionic transport us ing a migration test"土木学会, 第58回年次学術講演会講演概要集. V. 13-14 (2003)