3次元載荷製置による鋼製橋脚の疑似動的実験と復元力モデルの開発

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14350242
• Research Institution: Nagoya Institute of Technology
• Principal Investigator: 後藤 芳顕 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90144188)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 海老澤 健正 名古屋工業大学, 工学研究科, 助手 (90332709) ; 岩本 政巳 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (60232716) ; 小畑 誠 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30194624) ; 前野 裕文 名古屋高速道路公社, 保全部, 主査
• Keywords: 耐震設計 / 擬似動的実験 / 多方向載荷 / 鋼製橋脚

Research Abstract

2方向地震入力を受ける円形薄肉断面鋼製橋脚の応答性状と終局挙動を現有のMTS社製試験機を用いた静的円形繰り返し載荷と3次元擬似動的実験,さらに数値解析により検討した.また前年度に引き続き復元力モデルの構築のために必要な履歴特性の指標である復元力,変形能吸収エネルギを定量的に明らかにした.
まず,水平2方向地震動を対象とした円形薄肉断面鋼製橋脚に対する静的円形繰り返し載荷と3次元擬似動的実験を実施し,その特性を1方向載荷と比較することにより検討した.その結果,同じエネルギ吸収レベルにおいて,円形繰り返しでは復元力,変形能が一方向載荷に較べ大きく低下することが判明した.つぎに,このような2方向繰り返し載荷による円形薄肉断鋼製橋脚の終局挙動解析への材料構成則である3曲面モデルとシェル要素を用いた複合非線形FEM解析の適用性について検討した.従来の3曲面モデルでは,塑性域で多くの繰り返し載荷が行われたとき,やや精度が低下するので,このような場合も解析精度が確保されるように三曲面モデルの改良をおこない改良型三曲面モデルを提示した.その結果,2方向載荷による円形薄肉断鋼製橋脚の履歴特性を精度の良く予測することが可能になった.
このように,2方向繰り返し載荷による円形薄肉断鋼製橋脚の終局挙動解析においてその精度が確認された3曲面モデルとシェル要素を用いた複合非線形FEM解析により広範囲のパラメトリックスタディを実施して2方向載荷による薄肉円形断鋼管柱の復元力,変形能や吸収エネルギの低下特性を明らかにするとともに任意の構造パラメータに対して復元力,変形能,吸収エネルギの予測式の提示を行った.

Research Products

• [Publications] Y.Goto, M.Obata: "Development of three-dimensional pseudo-dynamic testing system and its application to assesing the seismic behavior of thin-walled circular steel columns"Proc.Of 5th Japanese-German Joint Symposium on Steel and Composite bridges. 319-327 (2003)
• [Publications] M.Obata, Y.Goto: "橋脚や柱等を対象とした3次元擬似動的実験装置の開発"土木学会論文集. I-66. 253-266 (2004)