2003 Fiscal Year Annual Research Report
シルト質土の繰返し劣化のメカニズムの解明と地震時変形予測と対応策への適用
Project/Area Number |
14350250
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
安原 一哉 茨城大学, 工学部, 教授 (20069826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀内 澄夫 清水建設技術研究所, 主任研究員
村上 哲 茨城大学, 工学部, 助手 (10261744)
小峯 秀雄 茨城大学, 工学部, 助教授 (90334010)
佐藤 研一 福岡大学, 工学部, 助教授 (20235336)
後藤 茂 清水建設技術研究所, 主任研究員
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Keywords | シルト / 液状化 / 側方流動 / 地震 / 模型実験 / 時間依存性 |
Research Abstract |
粘性土地盤やシルト地盤といった細粒分を多く含む地盤は、液状化による被害事例が砂地盤に比べ少ないことから地震時のような繰返し荷重には比較的安全とされていた.しかしトルコ地震(1999)や台湾大地震(1999)、鳥取西部地震(2002)では、沿岸埋立地を中心に、砂よりも細かい低塑性から非塑性の細粒分を含む砂質土や、シルト質土が液状化したことが報告された.以来、このことを明らかにするための研究の必要性が強調されてきた. そこで本研究では、地震時におけるシルト地盤の液状化及び側方流動のメカニズムを解明するために傾斜地盤を想定した模型試験を行った.特に、本年度は模型地盤の傾斜角度を変化させた実験を行い、この傾斜角が液状化及び液状化後の側方流動へ及ぼす影響を調べた.また、併せて砂地盤との比較も行なって考察を加え、シルト質土の液状化と液状化後挙動の特徴を明らかにした.その結果、以下のようなことが明らかになった. (1)新たに開発した振動負荷型堆積装置(ホッパー)により、シルトの液状化挙動を調べるための必要な緩く均質な模型地盤を作製することが可能になった. (2)シルト地盤の液状化後の側方変位と鉛直変位は傾斜角の増加に伴い大きくなるが、その絶対量は砂に比べると小さい. (3)シルト地盤の液状化後の側方変位と鉛直変位は長期的に変化する特徴がある.この点が砂の液状化後挙動と異なる知見である. (4)以上から、シルト地盤では、液状化後の側方変位と鉛直変位に対しては経時的変化に注意を払った対応策を施す必要がある.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 村上, 安原, 鈴木: "GISに適用する広域地盤沈下の観測的予測法"地下水学会誌. 第45巻、第4号. 391-408 (2003)
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[Publications] Yasuhara, K., Murakami, S., Mitsuyama, S.: "Instability of foundations undergoing rise in groundwater level"Proc. International Symp. on Groundwater Problems Related to Geo-environment (IS-Okayama),. Vol.1. 205-210 (2003)
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[Publications] 村上, 満山, 安原, 小峯: "水浸を受ける不飽和土挙動のための弾塑性構成モデル"茨城大学工学部研究集報. 第50巻. 9-15 (2003)
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[Publications] Yasuhara, K., Murakami, S., Fukuda, T: "GIS application for prediction of liquefaction potential caused by rising groundwater level,"Proc. International Conf. Soft Ground (IS-OSAKA04). Vol.1(印刷中). (2004)
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[Publications] 安原, 村上, 桑原: "災害低減と環境修復におけるGISの役割"茨城大学SVBL平成15年度成果報告会. Vol.1. 98-103 (2004)