2002 Fiscal Year Annual Research Report
廃棄物地層処分に関する泥質軟岩内の微小浸透流の計測と物質移行に関する研究
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14350251
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
渡邉 邦夫 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (00008880)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長田 昌彦 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 助教授 (00214114)
風間 秀彦 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 助教授 (40008868)
佐藤 邦明 埼玉大学, 地圏科学研究センター, 教授 (10008881)
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Keywords | 蒸発計測 / 微小浸透流 / ボーリング / 堆積軟岩 / オパリナス泥岩 / トンネルの緩み域 |
Research Abstract |
本年度の研究実績は下記である。主に計測装置の設計・製作と基礎的研究に焦点を絞った。 まず、Evaporation logging装置の設計・製作を行い、室内試験によりその計測精度を調べた。室内試験で注目した点は、ボーリング孔壁面を乾燥するために送入する空気の乱れである。本装置は、ボーリング孔内への微小湧水量を蒸発させ、蒸発量を測ることにより湧水量を計測し、ボーリング孔付近の不飽和透水係数を推定するものである。計測の基本的なアイデアは、孔壁直上に形成される水分拡散層内で水分流動を測定するものであり、空気流動の乱れに大きく影響される。室内試験は、その乱れの影響を定量的に調べるものである。実験の結果、空気注入点付近で乱れが大きいものの、整流板の設置によりかなり乱れが軽減できることがわかった。室内試験では上記と併せて、モンテリ地下実験場(スイス)のオパリナス泥岩資料、岐阜県地科学センターの泥岩資料を用いて装置の計測精度を調べた。 資料採取と、次年度の現位置試験準備のため、研究分担者の長田は2回スイス、モンテリ地下実験場に出張し、計測スケジュールを打ち合わせると共に、室内実験で使用する試料のサンプリングを行った。サンプリングと併せて、泥岩中の浸透流に影響する岩盤緩みの調査を行い、約1.5mの緩み域が存在することを明らかにした。このような基礎研究と共に、トンネル壁面からまた、ボーリングに沿った蒸発量分布を試験的に計測した。 研究分担者の風間は、オパリナス泥岩試料、岐阜県地科学センターの泥岩資料、北海道幌延地域泥岩試料の微小構造を電子顕微鏡写真の解析により調べた。その結果、幌延泥岩中に多数の珪藻化石が含まれ、特殊な水みち構造を持っていることを明らかにした。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Shriyangi Aluwihare, Kunio Watanabe: "An open chamber method in continuous measurement of evaporation and energy balance components at the bare soil surface"Jour. Hydroscience and Hydraulic Engineering. Vol.20, no.2. 83-104 (2002)
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[Publications] Kyi Myint Thwin, Kunio Watanabe, Aye Aye Thant: "Estimation of transpiration from a tree by using two-sensor type evaporation meter"Ann. Jour. Hydraulic Engineering, JSCE. Vol.40. 61-66 (2002)
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[Publications] 斎藤和春, 三枝博光, 渡辺邦夫, 宋 元泰: "推移確率行列と情報論的エントロピーを用いた岩盤割れ目系の解析"応用地質. Vol.43, no.3. 143-155 (2002)
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[Publications] Saotome A., Yoshinaka R., Osada M, Sugiyama H.: "Constituent material properties and clast size distribution of volcanic breccia"Engineering Geology. Vol.64. 1-17 (2002)