2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350295
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Research Institution | the University of Tokyo |
Principal Investigator |
腰原 幹雄 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助手 (50334321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 功 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (90011212)
大橋 好光 熊本県立大学, 環境共生学部, 助教授 (70160603)
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Keywords | 木橋 / 岩国 / 錦帯橋 / 経年変化 / 古図 / CAD |
Research Abstract |
平成16年度は、経年変化と古図のデジタルデータ化を行った。 経年変化は、平成15年度から継続して実施しているもので、築3年目の平成第3橋、築2年目の平成第4橋、築1年目の平成第2橋について行った。その結果、平成15年と同様に、築1年の平成第2橋では、季節変動とともに、経年変化として、1年間で約15mm下方向に沈下した。この値は、平成第3橋、平成第4橋の1年間の沈下量25mmに比べて若干小さな値となっている。また、第3橋、第4橋は、季節変動は10mm程度上下するものの1年後にはほぼ同じ変位に戻り安定状態に入ったと考えられる。これらは、平成15年の結果と同様であり、竣工後約1年で、「がた」や,木材の収縮による変動は,1年程度で安定することが確認された。また、これらの上下方向の変動は、湿度変化と大きな相関関係があることがわかった。湿度が上昇すると、部材の膨張により橋の中央部分は上方向に変位し、湿度が下がると、部材の収縮により橋の中央部分は下方向に変形する。 平成第2橋の1年間の下方向の変形量が小さかったのは、工事の順番の影響が考えられる。平成第2橋は、最後の工事であり、竣工後他の橋が解体されることはなかった。橋を解体するとアーチ構造のスラスト効果によって、橋台が水平方向に移動することが、工事中の計測によってわかっており、この期間の橋の下方向への変位量がおおきいことも確認されている。この工事が無かったたため、スラストが抑えられ下方向の変位量が小さくなったと考えられる。 古図のデジタルデータ化は、錦帯橋の現存する古図をCADデータとして保存した。今後、各年代の部材構成の変化などを図面で比較しながら検証することが可能となる。
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Research Products
(3 results)