2004 Fiscal Year Annual Research Report
強風に伴う建物の破損、破壊機構の解明とその制御に関する研究
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14350302
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
河井 宏允 京都大学, 防災研究所, 教授 (60027282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丸山 敬 京都大学, 防災研究所, 助教授 (00190570)
荒木 時彦 京都大学, 防災研究所, 助手 (60335221)
林 泰一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (10111981)
奥田 泰雄 独立行政法人, 建築研究所・構造研究グループ, 上席研究員 (70201994)
西村 宏昭 , 財団法人・日本建築総合試験所・耐用試験室, 室長
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Keywords | 強風被害 / 風荷重 / 自然風 / 風洞実験 / 局部風圧 / 屋根葺き材 / 地形 / 車載型ドップラレーダ |
Research Abstract |
今年度は以下の研究項目を実施した。 1.実験家屋において,軒先における風圧変動測定を行い,前年度までの結果と比較した。 2.瓦をスレート葺きに変更し,風圧変動の観測を行った。 3.発泡スチロール製の瓦を屋根に葺き,その風による飛散状況をビデオで撮影し飛散状況を調べた。 4.単層ダブルスキンに作用する風圧力に関する風洞実験と理論解析を行った。 5.平成16年度に日本に上陸した台風による被害状況を詳細に検討し,既往の台風による被害と比較検討するとともに,被害原因の推定した。 6.地形の影響による強風の特性をシミュレーションし台風時の被害と比較した。 7.車載型ドップラレーダを開発し信楽のMUレーダー観測所等,各地で観測を実施した。 以上の研究により以下の成果が得られた。 1.軒先の瓦に掛かるピーク揚力は,内圧の上昇とともにスパイク状のピーク外圧が生じる時に発生する。 2.スレート葺きの揚合では,平均風圧はスレートの表面と裏面で釣り合い,ピーク風圧は時間スケールの短いスパイク状の風圧変動が生じる時の外圧と内圧の不釣り合いによって生じる。 3.被害時のビデオでの瓦の飛散状況を実験によって確認し,飛敵風速が瓦の重さと揚力によって決まることを明らかにした。 4.単層換気ダブルスキンでは,屋内側の窓を開けたとき,ピーク風力は開けた窓の平均風圧分上昇する。 5.山間の谷筋にそって風が吹く場合,山からの流れの剥離が押えられ,谷筋を風が駆け降りるように吹く。厳島神杜はこのタイプの強風によって被害を受けたと推定される。 6.長尺の金属屋根の台風による被害の一因は,葺き材を母屋に止める固定金具の強度が,温度変化の影響によって低下することにある。また,葺き材の裏面への圧力の伝達経路も風荷重を評価する上で極めて重要である。
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Research Products
(13 results)