気象条件と建築躯体性能を利用する冷房システムの解析と評価

2003 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 14350315
• Research Institution: Kogakuin University
• Principal Investigator: 宇田川 光弘 工学院大学, 工学部, 教授 (00133314)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 石野 久彌 東京都立大学, 大学院, 教授 (80150267) ; 野部 達夫 工学院大学, 工学部, 助教授 (40338273) ; 大橋 一正 工学院大学, 工学部, 教授 (70100279) ; 郡 公子 宇都宮大学, 大学院, 助教授 (20153504) ; 吉田 治典 京都大学, 大学院, 教授 (00144337)
• Keywords: 空調システム / 空気流通窓 / 個別空調 / 換気冷房 / 躯体蓄熱 / 自然エネルギー利用 / 気象データ / シミュレーション

Research Abstract

本研究では主に冷房システムを対象として、快適で効率的なシステムの構築および設計・評価方法の確立を目的としている。このため、前年度に引き続き主に建築躯体自体の熱・光特性と空調設備を一体化した統合的な空調システムの可能性に着目し、快適でエネルギー消費量の少ない冷房システムの構築を実験・実測的研究および理論的研究の双方から行っている。今年度の研究における具体的な検討システムは、換気冷房システム、空気流通窓システム、個別空調制御システム、躯体蓄熱システム、空調システムの最適運転制御ならびに太陽熱利用や屋上植栽などの自然エネルギー利用システムなどである。また、解析、評価手法として、設備システムを考慮する汎用的熱負荷シミュレーション手法の研究、気象条件設定のための研究として日射量計算法、設計用気象条件の検討についての研究も行った。
汎用的熱負荷シミュレーション手法については、超高層大学校舎の空調システムにおける全外気冷房運転の効果を詳細に検討できるよう従来提案してきた手法のアルゴリズムおよびシミュレーションプログラムを拡充した。また、シミュレーションに関する研究として、躯体蓄熱方式、床暖房方式、空気系搬送システムなどについての計画設計法や最適運転法に適用しうるようシミュレーションを活用する解析、評価方法について研究を行った。
工学院大学居住環境システム比較実験装置(KTC)を活用した研究としては、汎用熱負荷シミュレーション手法の検証を行うとともにエアバリア方式による空気流通窓システムについての実験、等温気流による個別空調制御システムなどについての実験を行いこれら空調方式に関しての解析、評価方法を検討した。

Research Products

• [Publications] 宇田川 光弘: "Total Energy Performance of the Air Conditionings System Using Outdoor Air Cooling Potential"Proceedings of Building Simulation 2003. 1309-1316 (2003)
• [Publications] 宇田川 光弘: "Long Term Energy Performance of Solar House USH Estimated with Monitoring and Simulation"Proceedings of ISES 2003. (CD-ROM). O5-9 (2003)
• [Publications] 宇田川 光弘: "建物熱システムシミュレーションにおける熱負荷の要素別表示"空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. 13-16 (2003)
• [Publications] 長田 太宗: "超高層校舎の中間期冷房運転法に関する研究"空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. 913-916 (2003)
• [Publications] 傳田 雄一: "居住環境制御実験装置によるEESLISMの検証"空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. 17-20 (2003)
• [Publications] 仙川 誠: "エアバリアシステムの性能評価に関する実験研究(第1報)既往の研究に関する調査と実験計画"日本建築学会学術講演梗概集. D-2. 1023-1024 (2003)
• [Publications] 野部達夫: "Task A/C Unit Operation Rate Prediction in Office"Healty Buildings 2003 Proceedings. Vol.II. 725-730 (2003)
• [Publications] 石野 久彌: "A Simulation Study on the Response of Charged and Discharged Thermal Energy in Building Thermal Mass Storage Systems"Proceedings of Building Simulation 2003. 547-554 (2003)
• [Publications] 石野 久彌: "躯体蓄熱空調を適用した建物の熱環境・熱負荷の性能評価 第1報〜第5報"空気調和・衛生工学会学術講演会講演論文集. 1797-1896 (2003)
• [Publications] 郡 公子: "配管埋設型床冷暖房における吸放熱応答の推定法に関する研究 第1報 放熱応答の推定法の検討"日本建築学会環境系論文集. 570号. 15-19 (2003)
• [Publications] Wang, F: "Total Energy Consumption Model of Fan Subsystem Suitable for Continuous Commissioning"ASHRAE Transactions. Vol.110. 201-222 (2004)
• [Publications] 野田 康隆: "熱負荷予測を用いた夜間換気制御法の検証"日本建築学会大会学術講演梗概集. D-2. 97-100 (2003)