2005 Fiscal Year Annual Research Report
発展途上地域(湿潤熱帯)の大都市における居住地モデルの開発に関する研究
Project/Area Number |
14350322
|
Research Institution | The University of Shiga Prefecture |
Principal Investigator |
布野 修司 滋賀県立大学, 環境科学部, 教授 (50107538)
|
Keywords | 湿潤熱帯 / 東南アジア / 環境共生 / 街区組織 / エコハウス / 居住地モデル / 都市住宅 |
Research Abstract |
最終年度ということで、まとめの作業を中心としたが、タイの都市組織についての補足調査とヴェトナムについて臨地調査を行った。ヴェトナムについては、ハノイ36通り、そしてフエ、ホイア案についての先行研究があることから、ハノイ・エコハウス(ハノイ・モデル)の視察が主となった。スラバヤ・エコハウスと比較するとショップハウスをモデルとする点でひとつの参考になるが、様々なパッシブ手法については、学ぶべき点は多くはなかった。また、空間設計という点でも、実現は難しい、という印象を得た。連棟の連続住宅については、まだ開発の余地がある。 4年間の調査研究によって、スラバヤ・エコハウスの可能性は確認できたように思う。ただ、スラバヤ・エコハウスが従来型の団地モデルでしかないこともはっきりしている。少なくとも、連棟の街路型集合住宅モデルが開発される必要がある。ハノイ・モデルが先行的にあるが、改良の余地があることは上述の通りである。また、極めてポーラスな構造をとるスラバヤ・エコハウスに対して、コンパクトなモデルも考えられる。ただ、高気密・高断熱の手法は、湿潤熱帯にはなじまないのではないか、という先入観があり、具体的にもうひとつのオールタナティブについて検討するきっかけは本研究期間においては得ることが出来なかった。 都市組織については、マラッカ、タイを中心に臨地調査を展開することが出来た。当初予定していたフィリピンについて臨地調査ができなかったが、先行的に行っていた調査を加えてまとめを行った。残された課題は二つに分かれる。一つは、エコハウス・モデルを実験的に建設、評価すること、他の一つは、視野をさらにアジアの他地域に拡大し、都市組織の多様なあり方を明らかにすること、である。
|
Research Products
(4 results)