2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350324
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
室崎 益輝 神戸大学, 都市安全研究センター, 教授 (90026261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学部, 教授 (40298138)
越山 健治 神戸大学, 人と防災未来センター, 専任研究員 (40311774)
北後 明彦 神戸大学, 都市安全研究センター, 助教授 (30304124)
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Keywords | 町並み / 伝建地区 / 防災計画 / 防耐火性能 / 土壁 / 京町家 / 外壁 / 載荷荷重 |
Research Abstract |
伝統的町並みについて、計画的側面と構造的側面から防災性能の向上に関する研究を進めた。まず、計画的側面については、伝建地区の防災計画のあり方を提案するため、独自の防災計画を策定している伝建地区の各防災計画や、その計画の実践状況について調査した。さらに具体例として岩村本通り伝建地区の調査を行い、その計画の方向性について考案した。計画策定の手順はその策定時期によって変化している。これからの防災計画は、防災と同時にまちづくりの手段としての側面も重要視していかなければならない。今後,伝建選定と保存事業を推進する地区では,それと同時に防災計画を策定し,住民と共に総合的なまちづくりを行っていくことが求められる。 次に、構造的側面については、土壁の防耐火性能について以下のように実験を実施して性能を確認した。木造土壁のような真壁外壁では、加熱により柱が燃焼して、柱の断面減少により単位面積あたりの荷重が増加するとともに偏芯する。そのため、建物(京町家)の外壁(耐力壁)に要求される具体的な防火性能のうち、非損傷性の問題で防火性能が決定されることが多い。既往の研究では、外壁の様々な条件によらず、防火性能を担保出来るように、柱に長期許容荷重を載荷して加熱実験を行っているが、京町家の実態調査によると柱への荷重は長期荷重の約6割程度である。そこで、本研究では、既往の研究により長期荷車を載荷した際の防火性能がわかっている裏返し塗りをした土壁について、載荷荷重を京町家の実態荷重(長期荷重の約6割)とした場合の防火性能を実大規模(約3m角)の試験体を用いた加熱実験により調べた。その結果、長期荷重を載荷した場合に30分であった防耐火時間が、51分に延長され(ともに非損傷性の問題で防耐火時間が決定された)、載荷荷重が木造土壁の防耐火性能に与える影響が大きいことがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 油野麻由美, 室崎益輝, 北後明彦: "伝統的建造物群保存地区の防災計画策定手法に関する研究"地域安全学会講演梗概集. 2004年5月(発表予定). (2004)
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[Publications] 安井昇, 長谷見雄二, 北後明彦他: "柱圧縮試験による木造土壁の火災加熱時の非損傷性予測と木造土壁外壁の防火設計"日本建築学会環境系論文集. 第574. 1-6 (2003)