2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350324
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
北後 明彦 神戸大学, 都市安全研究センター, 助教授 (30304124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越山 健二 兵庫県立人と防災未来センター, 専任研究員 (40311774)
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Keywords | 町並み / 伝建地区 / 防災計画 / 防耐火性能 / 土壁 / 京町家 / 外壁 / 載荷荷重 |
Research Abstract |
伝統的町並みの集団防火対策の効果をミクロ評価による延焼シミュレーションを利用して判定し、木造密集市街地としての伝統的町並みの現況と建築ルールとの関係を考察した。その際、木造密集市街地整備の問題点としては、(1)任意事業性、(2)修復事業性、(3)共同的改善の困難性があると捉え、木造密集市街地の防火対策として街区レベルでの建築ルールづくりが重要であることから、異なる市街地パターン3地区を選定し、集団防火対策の効果の検討を行った。その結果、集団防火対策の効果について、以下の点が明らかとなった。 (1)協調型建て替えによる防火性能の高い建築物が連続することにより、延焼遮断帯が形成され街区としての防火性能が向上する。また、規制(建ぺい率・容積率)緩和しても準耐火造以上であれば集団防火性能として特に問題ない結果が得られた。 (2)防火性能の高い建築(例えば木造3階建てのような準耐火造)が点在することにより、街区の不燃領域率は上がるが、街区としての防火性能(延焼速度など)にはほとんど影響がない。 (3)隣棟に対して開口部を設けない、背割り側に蔵を配置するなどの伝統的な市街地構造は延焼拡大を軽減させる効果は大きい。 以上から、市街地パターンに応じて、景観を保全しつつ伝統的な市街地の構造を生かして防災性を高めることが可能であることを確認した。
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Research Products
(1 results)