2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350329
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Research Institution | Kogakuin University |
Principal Investigator |
沢岡 清秀 工学院大学, 工学部, 教授 (40245642)
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Keywords | 改修 / 再利用 / コンバージョン / 保存 |
Research Abstract |
古くなった既存建築物を壊して建替えするのでなく、改修を加えて用途を変え再利用する「コンバージョン」の具体的実施例を欧米(7メリカ、スイス)と日本において実地調査した。 (1)ニューヨーク市:ソーホー、トライベッカ両地区にみられる産業用ロフトの住居へのコンバージョンの実態、および近年注目されているチェルシー地区での倉庫のギャラリー転用の例を実態調査。このようにコンバージョンが普及している背景を、ニューヨーク市都市計画局パトリツク・トゥー氏に聞いた。また建築保存との関係について、コロンビア大学建築都市保存学部ドロシー・マイナー教授、ポール・バイアード教授にヒアリングした。また、実際に多くの作品を手がけているマルコム・ホルツマン事務所、リチャード・グラックマン事務所を訪間し仕事の背景を聞いた。ニューヨークのコンバージョンを巡る広範な問題点の構図が浮かび上がってきて、今後さらに分析する資料を入手した。 (2)昨年春に行ったチューリヒ市の事例調査に基づき、今年度はさらに建築家ハインツ・ツィンマーマン、マティアス・ビシュコフ、レト・プファーディングにヒアリングし、チューリヒにおける既存建築活用の制度的な背景を聞いた。 (3)金沢市の二つの実例、金沢市民芸術村および金沢県立歴史博物館の設計者および運営者にヒアリングを行い、それぞれの成立の経緯を聞いた。既存を取り扱う意識の違い、新築部を加える手法の違いが浮き彫りになった。 以上を通して、既存の活用にまつわる制度的、デザイン的問題の全体的な構図がわかってきた。次年度はこれを体系的に分析して今後の活用に資する方法をまとめたい。
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Research Products
(2 results)