2003 Fiscal Year Annual Research Report
サーファクタントエピタキシー法を用いた金属多層膜の界面構造と物性制御
Project/Area Number |
14350339
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
山本 良一 東京大学, 国際・産学協同研究センター, 教授 (10107550)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神子 公男 東京大学, 生産技術研究所, 助手
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Keywords | Surfactant epitaxy / Metallic multilayer / Giant magnetoresistance / Seeded epitaxy |
Research Abstract |
サーファクタントエピタキシー法及びシーディッドエピタキシー法を、垂直磁気異方性・巨大磁気抵抗効果を示す金属多層膜に応用し、極めて平坦な磁性薄膜・多層膜及び配向性の制御された金属多層膜を作製した。具体的には、(1)スパッタ法を用いて作製したFe/Cr多層膜、及び(2)MBE法を用いたAu上のCoヘテロエピタキシャル成長に対するサーファクタントエピタキシー法の応用、また(3)スパッタ法を用いたCo/Cu多層膜に対するシーディッドエピタキシー法の応用について研究を行った。 (1)昨年度の結果から効果的なサーファクタントと結論づけられたBiを、工業的に必要不可欠な手法であるスパッタ法を用いて作製したFe/Cr多層膜に適用した。XRD低角域測定及び深さ方向AES測定の結果より、Biを約1原子層(3Å)蒸着させたFe/Cr多層膜の界面急峻性を向上させることができ、その結果としてMR比の向上が確認された。 (2)Al_2O_3(0001)基板上のAu(111)層上のCo成長に対して、Biを蒸着させた場合とそうでない場合の成長様式を比較した。RHEED強度振動測定の結果、Biを04Å蒸着させた場合の方がRHEED強度振動がより持続する結果が得られた。即ち、Coの成長がより層状成長的になり、極めて平坦な表面をもつCo層を作製することができた。 (3)MgO(100)基板上にTi及びCoシード層を0.1nm堆積させることでその上のCuバッファー層及びCo/Cu多層膜の配向面がfcc(100)面に制御され、良質な超格子構造になることが分かった。また、配向面制御に伴い磁気抵抗の変化率は最大1.56倍程度に向上させることができた。考察の結果として、基板に対するシード層原子の結合エネルギーが大きな因子になっていることが分かった。 また、MBE装置にRHEED解析システム:MR-1000((株)エイコー)を増設した。これによりさらなる高精度な試料表面の解析が可能となったため、サーファクタント自体が及ぼす影響をより明確にする事が可能となり、今後の実験成果に大きく寄与することが期待される。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] M.Kamiko, H.Mizuno, H.Chihaya, J.-H.Xu, I.Kojima, R.Yamamoto: "Ag-enhanced layered growth in Fe(100) homoepitaxy"Applied Surface Science. 222・1-4. 116-124 (2003)
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[Publications] M.Kamiko, H.Mizuno, J.-H.Xu, I.Kojima, R.Yamamoto: "Bi induced layer-by-layer growth in the homoepitaxial growth of Fe on Fe (100)-c(2×2)O reconstruction surface"Journal of Crystal Growth. 263・1-4. 363-371 (2003)
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[Publications] H.Chihaya, M.Kamiko, S.-M.Oh, R.Yamamoto: "Enhancement of structural and magnetic properties of Co/Cu(100) multilayers"Solid State.Communications. 128・6-7. 225-228 (2003)
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[Publications] H.Chihaya, M.Kainiko, S.-M.Oh, R.Yawamoto: "Effect of seed layers on the structure of Co/Cu(100) metallic multilayers"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. (in press).
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[Publications] M.Kamiko, H.Mizuno, H.Chihaya, J.-H.Xu, I.Kojima, R.Yamamoto: "Bi-enhanced Heteroepitaxial Layered Growth of Cr on Fe(100)-c(2×2)O Reconstruction Surfaces"Japanese Journal of Applied Physics. (in press).