2004 Fiscal Year Annual Research Report
希土類磁石材料の表面収着処理にとる微構造制御と磁気特性の改善
Project/Area Number |
14350342
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
桑野 範之 九州大学, 産学連携センター, 教授 (50038022)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
板倉 賢 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助教授 (20203078)
波多 聰 九州大学, 大学院・総合理工学研究院, 助手 (60264107)
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Keywords | 希土類磁石 / ボンド磁石 / 透過電子顕微鏡 / 微細構造解析 / Zn収着処理 / 耐食性 / ネオジム磁石 |
Research Abstract |
NeFeB系磁石材料はNd_2Fe_<14>Bを磁石相とする高保持力を有する材料であるが、耐食性および残留磁化の時間劣化など解決すべき課題も多い.そこで、まず耐食性を賦与することを目的としでZn蒸気雰囲気で処理(Zn収着処理)したところ、耐食性が飛躍的に上昇し,材料磁化の時間劣化も抑卸でき,しかも再磁化により初期値に回復するなどの自覚しい効果があった。本研究課題では主にSEMとTEMによるナノ構造解析を行い、耐食性向上と磁気特性改善の機構を検討した。その結果本年度では、次のような事が明らかになった。 1,Zn収着処理を施したHDDR-NdFeB試料(Zn/HDDR-NdFeB)では腐食によりZnOやh-Nd_2O_3は生成するが、α-Feはほとんど生成しない。 2,Zn/HDDR-NdFeB試料ではα-Feが残留していないので、再着磁により時残留磁化の強さはほとんど初期値に近い数値にまで回復する。 3,以上のことから、Zn収着処理がHDDR-NdFeBボンド磁石に対して、耐食性と磁気特性向上に大きな効果があることを明らかにし、それらの特性向上の機構を解明した。 さらに、本年度は、NeFeB系磁石材料のリサイクルを念頭に、参加処理により電波吸収材への応用を試みた。その結果,HDDR-NdFeB磁石では、微細なFe粒子が分散した状態になっており、内部微細組織と吸収周波数帯とが強く関連していることが確かめられた。これらの結果は、酸化処理条件によりFe粒径分布を割御することにより、携帯電話などのギガヘルツ帯を広くカバーする吸収材料の開発に寄与する。
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Research Products
(2 results)