2004 Fiscal Year Annual Research Report
希土類酸化物ナノチューブ・ナノポーラス材料の鋳型合成と応用技術の開発
Project/Area Number |
14350354
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Research Institution | UNIVERSITY OF MIYAZAKI |
Principal Investigator |
木島 剛 宮崎大学, 工学部, 教授 (90040451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
矢田 光徳 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (20274772)
関田 正実 物質・材料研究機構, 物質研究所独立研究グループ, 主席研究員 (20354425)
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Keywords | ナノチューブ / 希土類酸化物 / ヨロピウム / 発光 / 希土類イオン |
Research Abstract |
1.3価Euをドープした希土類酸化物ナノチューブおよびヘキサゴナルメソ多孔体ならびに1000℃焼成体の発光特性 1)前年度に引き続き、7%のEu^<3+>を含む界面活性剤無添加系、ナノチューブ、及びヘキサゴナル型希土類酸化物の3種試料について詳細な発光実験を行った。いずれの試料もその発光強度は1000℃で焼成すると約2桁増大し、各々3種類のEu^<3+>サイトを有することが判り、各サイトについて^7F_0から^7F_2のStark準位を決定した。さらに、この発光強度の増大はいわゆるナノサイズ効果であると推論した。 2)希土類元素YおよびEuの塩、ドデシル硫酸ナトリウム、尿素および水を80℃で20時間反応させ、3価のEuを最高15mol%含むナノ構造体を合成し、各1000℃焼成試料の発光特性を測定した。その結果、Eu仕込濃度8%以上では、Y_2O_3とY_2O_2SO_4を各々主要相とする2種類の焼成体(type Iとtype II)が得られ、その発光強度は、Bulk<type I<type IIの順に増大し、特にtype IIの発光強度はバルク試料の約2倍に増大した。したがって、Y_2O_2SO_4系Eu^<3+>ドープ試料の発光特性についてさらに詳しく検討する必要があることが明らかになった。 2.光応答型有機/希土類酸化物ナノ複合体の合成 Yb塩とp-アミノアゾベンゼンスルホン酸を反応させ、p-アミノアゾベンゼンスルホン酸/Yb酸化物ナノ複合体の合成に成功した。本複合体はp-アミノアゾベンゼンスルホン酸イオンが約2nm程度の分子長であるにもかかわらずYb化合物を骨格構造とし10〜15nmの球状の内部空間を有する泡状多孔質ナノ構造であり、内部空間にp-アミノアゾベンゼンスルホン酸が結合しているという特異なナノ構造体である。さらにp-アミノアゾベンゼンスルホン酸は-N=N-基を有するため光により構造変換することから、光により細孔環境を制御できる多孔体を合成するための設計指針が得られたと考えられる。 また、層状構造、ヘキサゴナル構造、ナノチューブ構造を有する希土類(Er)化合物/ドデシル硫酸イオンナノ複合体の磁性、ならびにメスバウアー分光法による骨格構造の推定も試みている。
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Research Products
(4 results)