2002 Fiscal Year Annual Research Report
オルガノアルコキシシランの自己組織化による無機-有機ナノ組織体の構築と機能化
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14350356
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
黒田 一幸 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90130872)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下嶋 敦 日本学術振興会, 特別研究員(PD)
菅原 義之 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50196698)
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Keywords | 無機有機ハイブリッド / オルガノアルコキシシラン / ゾルゲル法 / シリカ多孔体 / 自己組織化 |
Research Abstract |
本年度は、オルガノアルコキシシランの分子設計という観点から、アルキルシランに3つの-OSi(OMe)_3基が結合した構造の新規シロキサンオリゴマー[C_nH_<2n+1>Si(OSi(OMe)_3)_3,n=10or16]を合成し、加水分解・縮重合反応により得られる生成物の構造について検討した。酸性条件下で加水分解・縮重合反応を行い、得られた溶液をガラス基板上にキャスト、風乾し、板状のゲルを得た。これを粉砕し試料とした。各試料のXRDパターンには、d=2.9(n=10),3.3nm(n=16)の回折ピークといくつかの高次回折ピークが出現した。TEM観察により、n=16の場合は層状構造、また、n=10の場合、若干の歪みを有する2D-ヘキサゴナル構造が形成されていることが確認された。アルキル鎖炭素数によるナノ構造の変化は出発物質の分子形状の違いに起因するものと考えられた。さらに、得られた試料を500℃で8時間焼成した結果、n=16の系では構造の崩壊が起こったが、n=10の場合、ナノ構造は保持された。焼成前のハイブリッドの^<29>Si MAS NMRスペクトルにはTおよびQユニットによるシグナルが観測されたが、焼成後の試料はQ^3、Q^4シグナルのみを示したことから、有機基の除去が確認された。また、窒素吸着測定により,n=10の系より得られた焼成物は高い比表面積を有するマイクロポーラスシリカであることがわかった。一方、このようなハイブリッドの生成過程に関する検討も行った。反応溶液の^<29>Si NMRスペクトルからは主としてT^2およびQ^2ユニットに帰属されるシグナルが観測された。各シグナルの積分強度比、およびトリメチルシリル化した試料のMSスペクトルから、環状4量体の形成を確認した。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] A.Fukuoka, et al.: "Alignment control of a cyanine dye using a mesoporous silica film with uniaxially aligned mesochannels"Chem. Commun.. 284-285 (2003)
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[Publications] Shigeno, et al.: "Direct Silylation of a Mesostructured Precursor for Novel Mesoporous Silica KSW-2"Langmuir. 18. 8102-8107 (2002)