2004 Fiscal Year Annual Research Report
超伝導複合線材の力学的見地からの高臨界電流確保要件の解明
Project/Area Number |
14350360
|
Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
落合 庄治郎 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (30111925)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北條 正樹 京都大学, 工学研究科, 教授 (70252492)
奥田 浩司 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (50214060)
田中 基嗣 京都大学, 工学研究科, 助手 (30346085)
|
Keywords | 超伝導複合素材 / 変形 / 破壊 / 損傷 / クラック / 臨界電流 / A15型超伝導材 / 高温酸化物超伝導材 |
Research Abstract |
本研究では,フィラメントが脆性的なBi_2Sr_2Ca_2Cu_3O_x/Ag(以下Bi2223/Agと略称),Nb_3Al/Cuおよびフィラメントが延正的なNb-Ti/Cu複合線材を対象として,【実験的に,複合線材中のフィラメントのひずみや破壊の発生・成長・集積と臨界電流の相関を把握】し,その結果を基に,【応力環境下で高臨界電流を確保するための要件を把握】することを試みた.主な結果は以下のように要約される. 静的負荷応力条件下で,高臨界電流を確保するための力学的要件としては以下が挙げられる.(a)フィラメントの引張破壊ひずみは,Bi2223で約0.09-0.13%,Nb_3Snで約0.5-1.2%,Nb_3Alで約0.6-1.0%,Nb-Tiで約2%である.臨界電流を損なわない負荷ひずみの限界はフィラメントがこれらのひずみに達しない条件である.フィラメント強度にはばらつきがあるので,上記で述べた値の下限値に達しないような応力負荷条件が,高臨界電流確保要件となる.(b)負荷応力方向の圧縮の熱残留応力を導入することにより,複合材中でのフィラメント破壊を遅らせることができる.(c)Bi2223試料では,引張では負荷されるひずみ限度を破壊ひずみの下限と圧縮残留ひずみの和である0.25%程度,曲げでは曲げひずみを0.4%程度以下に押さえることが高臨界電流を確保するには有効である.繰り返し応力下で高臨界電流を確保するためには,疲労の生じない下限界値(フィラメント体積率が40-50%のNb_3Al/CuやNb-Ti/Cuでは約150MPa)以下の応力下で用いること,コア部に疲労き裂が到達する応力サイクル数以下(破壊が生じるサイクル数の約70%以下のサイクル数)で用いることが必要である.
|
Research Products
(5 results)