2004 Fiscal Year Annual Research Report
次世代燃料電池用水素貯蔵タンクの為の超高圧合成法による高容量新規水素化物の探索
Project/Area Number |
14350364
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
岡田 益男 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (80133049)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高村 仁 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (30250715)
亀川 厚則 東北大学, 大学院・工学研究科, 助手 (90292242)
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Keywords | 高圧合成法 / 水素化物 / 水素 / アルカリ土類金属 |
Research Abstract |
超高圧による新水素化物の探索は化合物合成に圧力という第3のパラメータを加え、常圧合成では見られない特異な構造や組成を有する化合物の発見を可能にしている。研究代表者らは超高圧法による新水素化物探索に着手して3年の間に、5つ以上の新水素化物を立て続けに発見し、GPaオーダー超高圧法がもたらす新物質合成に大いに期待される。そこで本研究は多面体アンビル式装置を用いて、MgH_2-REH_3系(RE=Y,La,Ce,Pr,Nd,Sm)系における高圧合成による探索を行った。新規水素化物として、MgY_2H_9、Mg_3LaH_9、Mg_3CeH_9、Mg_3PrH_9が合成された。これらの新規化合物は、Mg-Y-H系については、FCC構造を有し、その他のものは単純正方晶系に属するものと判明した。MgY_2H_<7.8>は3.7mass%の水素を含有し、約600Kで1.4mass%の水素を部分的に放出することが明らかになった。Mg_3LaH_9、Mg_3CeH_9、Mg_3PrH_9は、MgH_2の放出温度よりも低温のそれぞれ約600K、約609K、約603Kで吸熱を伴う脱水素反応が生じ、Mgと希土類水素化物に分解することがわかった。Mg-Nd,Sm系ではMgH_2-xmol%NdH_3(x=33-100)およびMgH_2-xmol%SmH_<2+δ>(x=33-100)において新規相は得られなかった。以上のように、本研究に着手したばかりながらも、これまでにない新しい4つの水素化物を合成・発見することができた。このことからも本高圧合成法は新規水素化物について有力な探索手法であることが実証された。
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Research Products
(2 results)