2003 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350366
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
和田山 智正 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (20184004)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八田 有尹 東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70005502)
|
Keywords | 赤外吸収増大 / 原子間力顕微鏡 / 表面増強ラマン分光 / アデノシン / 島状蒸着Ag微粒子 / ポリビニルアルコール / 転写ローラー / 多重反射赤外ATR |
Research Abstract |
本研究は、固体表面-生体関連物質間相互作用の分光学的およびSPMを用いた評価を通じ、生体関連物質の基板への固定化技術を確立することを目的とした。昨年度は、核酸の塩基部分を構成するユニットであるアデノシン分子を含む溶液をAg島状金属上に滴下し、金属表面における吸着状態をAg微粒子による吸収増大を利用した多重反射赤外分光分析により検討した。本年度は、測定感度がさらに高いと考えられる表面増強ラマン散乱(SERS)を利用し吸着アデノシン分子の測定を行った。また、真空蒸着により形成した島状Ag微粒子の形態の膜厚による変化をAFM観察し、SERS測定に適した島状Agの形態を検討した。まず、励起光源としてHe-Cdレーザーの433nmの共鳴線を利用して吸着アデノシン分子のSERS測定に着手した。He-Cdレーザーの場合、バックグランドの不純物による蛍光、さらにレーザー光照射による分子の分解のために、測定スペクトルの解釈に留意しなければならないことがわかった。そこで、He-Neレーザーの633nm共鳴線を励起光として用いて実験を行った。その結果、良好な信号/雑音比で分解の問題もなくスペクトル測定が可能となることがわかった。一連の測定を通じて、Ag膜厚6nm程度のとき吸着分子のSERSスペクトルが安定して得られることが明らかとなった。次にPVA-アデノシン間の水素結合を介した相互作用を利用し、あらかじめアデノシンを吸着させたPVA転写ローラーによるSi基板への転写について検討を開始した。その結果、転写ローラー側のアデノシン分子が基板金属微粒子側に転写できることをSERSスペクトル測定に基づいて確認できた。今後、ローラー転写速度やローラー加重等をファクターとして転写にかかる最適条件を検討する予定である。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] T.Wadayama, H.Yano, Y.Sasaki, J.Takahashi, A.Hatta: "Infrared Absorption enhancement of Octadecanethiol on Colloidal Silver Particles"Mater.Trans.. 45. 86-91 (2004)
-
[Publications] T.Wadayama, H.Yano, Y.Sasaki, A.Hatta: "In-situ UV-visible and IR absorption study of the aggregation of Colloidal silver particles via chemisorption of octadecanethiol"Surface and Interface Analysis(掲載許可済み). (2004)