2003 Fiscal Year Annual Research Report
リスクベースデザインのためのフェーズフィールド法と組織自由エネルギー理論の融合
Project/Area Number |
14350368
|
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
村田 純教 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (10144213)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小山 敏幸 (独)物質・材料研究機構, 計算材料科学研究センター, 主任研究員 (80225599)
|
Keywords | 組織自由エネルギー / フェーズフィールド / 材料設計 |
Research Abstract |
様々な組織の安定性を自由エネルギーの視点から明らかにする「組織自由エネルギー理論」と、場の関数として与えられた状態変数の時間発展を明らかにする「フェーズフィールド法」を融合させて、金属材料の複雑な組織変化を定量的に予測することを目的として、昨年度、金属材料の中で最も複雑な組織を示すフェライト系耐熱鋼を対象とし研究を進めた。その結果、(i)Fe-C-Cr-Co-W-Mo系における炭化物、金属問化合物のTTP (Time-Temperature-Precipitation)図を作成した。(ii)Fe-C-Cr-W系におけるLaves相の析出形態変化をシミュレートした。(iii)鉄の加工組織の回復・再結晶過程をフェーズフィールド法によりシミュレートした。今年度はニッケル基超合金のリスクベース設計のための表面安定性や表面組織を調べると共に、引き続きフェライト系耐熱鋼においても、炭化物、金属間化合物の界面エネルギー評価のための粒成長速度線を求める実験を進めた。その結果、(1)ニッケル基合金の表面安定性を保持するためには少なくとも2mass%Cr以上のCrが不可欠であること、(2)Reはニッケル基合金の耐高温安定性を劣化させること、(3)複合酸化物の高温安定性はそれぞれの単一酸化物の蒸気圧から予測される高温安定性とは一致せず、NiO-Cr_20_3複合系では複合化により不安定性が増加すること、(3)炭化物、金属間化合物の成長に対してCoはそれを促進すること、(4)結晶粒やマルテンサイト組織の成長速度は界面律速から予測されるそれより小さいことが明らかとなった。 これらの結果を踏まえて、次年度は組織自由エネルギーを見積るための界面エネルギー等の決定を行い、マルテンサイト組織の組織自由エネルギーを見積るとともに、その組織変化をフェーズフィールド法によりシミュレートする。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Md.Monirzzaman, M.Maeda, Y.Murata, M.Morinaga: "Degradation of High-Temperature Oxidation Resistance for Ni-based alloys by Re addition and the Optimization of Re/Al Content."ISIJ International. Vol.43, No.3. 386-393 (2003)
-
[Publications] Md.Monirzzaman, Y.Murata, M.Morinaga, R.Hashizume et al.: "Alloy Design of Ni-Based Single Crystal Superalloys for the Combination of Strength and Surface Stability at Elevated Temperatures."ISIJ International. Vol.43, No.8. 1244-1252 (2003)
-
[Publications] M.Nakai, Y.Murata, M.Morinaga, R.Hashizume: "Effect of Impurity Sulfur on the Formation of Cr_2O_3 and SiO2 at the Early Stage of Steam Oxidation in both Ferritic and Sustenitic Steels"Materials Transaction. Vol.44, No.9. 1830-1838 (2003)
-
[Publications] T.Kunieda, Y.Murata, M.Morinaga, T.Koyama: "Effect of Refractory Elements(X:Mo,W,Re) on the Microstructural Evokution of Fe-8Cr-0.1C-X Martensitic Steels during Tempering."Materials Transaction. Vol.45, No.2. 392-395 (2004)