2003 Fiscal Year Annual Research Report
次世代防錆用の自己修復作用を有した機能性有機めっき皮膜の開発
Project/Area Number |
14350389
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
中野 博昭 九州大学, 工学研究院, 助教授 (70325504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上村 治男 九州大学, 工学研究院, 助手 (40294897)
大上 悟 九州大学, 工学研究院, 助手 (90264085)
福島 久哲 九州大学, 工学研究院, 教授 (50038113)
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Keywords | 電解重合 / ポリアニリン / P-トルエンスルホン酸 / シュウ酸 / 電解質 / 分極曲線 / 電流密度 / 電位 |
Research Abstract |
単量体として酸化重合することが知られているアニリンを用いて,鋼板上へ電解酸化重合膜を形成させた。電解質としてP-トルエンスルホン酸を用いて,重合膜の形成に及ぼす浴pH,電位,電流密度の影響を調べた結果,pH10,電位1.1V(vs.NHE),電流密度0.08〜3A/dm^2で緻密な皮膜が得られることが判明した。定電位電解法と定電流電解法による重合膜を比較すると,重合膜の付着量,形態には両電解法による相違は特に認められなかった。また,重合膜の構造をFT-IRで調べたが,電解因子(pH,電位,電流密度,通電方法)による有意差は,特にみられなかった。作製したポリアニリン被覆鋼板の耐食性を評価するため分極曲線を調べたところ,ポリアニリンを被覆させることによりアノード分極曲線が大きく分極し鋼板の耐食性が改善されることがわかった。ポリアニリン被覆鋼板のアノード分極曲線は,重合膜が緻密であるほど,また重合膜の付着量が多くなるほどより分極した。しかし,電解質としてP-トルエンスルホン酸を用いた浴では,ポリアニリン膜の密着性が悪く,3%塩化ナトリウム水溶液中に3時間浸漬すると一部皮膜の剥離が生じた。そこで,ポリアニリン膜の密着性を改善させるため,素地の鋼板とシュウ酸鉄を形成するシュウ酸を電解質として使用した。シュウ酸添加浴では,重合膜の密着性は改善されたが,緻密な重合膜が形成されず,P-トルエンスルホン酸を用いた場合に比べ耐食性が劣った。電解質としてP-トルエンスルホン酸とシュウ酸を併用したところ,重合膜の密着性と耐食性を両立させることができた。
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