2004 Fiscal Year Annual Research Report
3次元フェムト秒レーザープロセスによる超トライボロジー複合膜の開発研究
Project/Area Number |
14350392
|
Research Institution | Fukui National College of Technology |
Principal Investigator |
安丸 尚樹 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90158006)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮崎 健創 京都大学, エネルギー理工学研究所, 教授 (50293957)
加藤 寛敬 福井工業高等専門学校, 機械工学科, 助教授 (30311020)
|
Keywords | フェムト秒レーザー / アブレーション / セラミックス膜 / DLC / 固体潤滑膜 / 複合膜 / トライボロジー |
Research Abstract |
(1)MoS_2系複合膜のトライボロジー特性と円形溝の効果 DLC膜にボール・オン・ディスク摩擦摩耗試験機であらかじめ円形溝を加工後MoS_2を被覆し、できるだけ同一円周上をボールが回転するように工夫して、摩擦係数の変化を調べた。その結果、溝加工前のDLC膜上にMoS_2を被覆した複合膜は、超硬ボールに対して0.03と最も低い摩擦係数を示し、軸受鋼SUJ2ボールに対しては0.16とやや高めの値になった。溝作製後は、超硬ボールに対しては摩擦係数がほぼ同じか少し高い値となったが、SUJ2に対しては0.09の非常に低い摩擦係数を示した。この理由としては、攻撃性の高いSUJ2ではMoS_2が移動しやすく、溝が油だめのようにMoS_2を保管する効果を示し、摩擦係数が低下したと考えられる。このようにボール・オン・ディスクの超硬ボールで簡易的に作製した円形溝により、SUJ2ボールの摩擦係数を低減できることが判明した。従って、溝の形状・サイズをフェムト秒レーザー加工で最適化することにより、さらにトライボロジー特性が向上することが期待される。 (2)フェムト秒レーザーによるナノ構造形成とトライボロジー特性に与える効果 DLC膜表面にフェムト秒レーザーをスポット状に照射し、照射面に種々のサイズや形状を有する周期的微細構造(ナノ構造)を形成する技術をもとに、このナノ構造をより広い平面状に形成する技術を開発した。即ち、試料ステージの駆動スピードを最適化することにより、約15mm角程度の平面にナノ構造をほぼ一様に形成することが可能になった。ナノ構造を平面状に形成したDLC膜表面のトライボロジー特性を、ボール・オン・ディスク型摩擦摩耗試験により評価した。その結果、未照射面と比較して、超硬ボールに対してはそれほど変化しないが、鉄系(軸受鋼)のボールに対しては摩擦特性が向上することが判明した。
|
Research Products
(5 results)