2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
14350398
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
藤澤 敏治 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 教授 (20115629)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐野 浩行 名古屋大学, 難処理人工物研究センター, 助手 (50314050)
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Keywords | 複合材料 / アルミニウム / SiC / 粒子強化 / リサイクル / フラックス / KF / NaCl-KCl |
Research Abstract |
金属基複合材料は,優れた特性を示す一方で,母材と強化材の分離が非常に困難であるという,リサイクルの観点からは決定的な欠点を持ち合わせている。本研究では,水溶性フラックスを用いたクローズドリサイクルプロセスの開発を目指し,本年度は以下の知見を得た。 対象とした複合材料はAl-SiC系粒子強化複合材料であり,母材にAl-8.5%Si合金,強化材としてSiC粒子を20vol%含む。これに対し,種々の塩化物系フラックスにおいて処理を行ったところ,いずれの場合も強化材であるSiCの回収率は60%以下にとどまった。またAl合金は表面にSiC, Al_2O_3が付着している多数の粒状で回収された。そこで,SiC回収率を向上させ,Al合金を一つの塊状として回収するため,系の界面張力を改善させる効果が期待できるアルカリフッ化物の添加を検討した。添加するアルカリフッ化物としては,水への溶解度の大きいKFを選択した。 1.CaCl_2-NaCI-KF系フラックス SiC回収率は向上せず,回収Al合金もこれまでと同様の状態であった。回収SiC粉末にCaF_2が存在したことから,CaCl_2とKFの間でハロゲンの交換反応が起こり,KF添加の効果が現れなかったものと考えられる。 2.NaCl-KCl-KF系フラックス SiC回収率が向上し,Al合金の内部・表面ともにSiC粒子が認めらない,再利用可能な大きな塊状で回収することができた。また,回収したSiC粉末については,切削屑表面の酸化膜および処理中のAl合金の酸化によるAl_2O_3,フラックスとAl合金が反応して生成したK_2NaAlF_6が若干存在することが分かった。これらのうち,後者についてはNaOH溶液処理により除去できることが分かった。
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